電子書籍が普及してくれば、もうこのような本を手にする事も困難になってしまうでしょう。良き時代の思い出のためにも、この本を探しに行かれることをお勧めします。

美しい装丁、端正な文体、神秘的な内容の小説である。
本自体は、とにかく厚いが、怖気付くことはない。
最低１時間は余裕の時間がある時に、机にむかって、
（重いので寝転がって読むと骨折するのである）
読み始めれば、文章が上手なので、するすると頭に入ってきて、
あっという間に２時間経っているのである。

今日の朝日新聞に、電子書籍や、ケータイ小説の登場で
「プロと素人の境界が溶けてゆく」と言う論考が載っていたが、
そうなるとすれば、理由は、プロの怠慢なのである。

内容は、本の表紙の装画を物した、教養人たる著者の実祖父
左手種作氏の物語です。

このような本に出会えたことが素直に嬉しい。
一生手放したくない文章を手にいれることが出来ました。