異 渋谷 眠る街
★★★★☆
不思議な渋谷です。
全体的に、普段テレビに映るような渋谷の映像は一切ありません。
眠る街渋谷、人知れず存在するもう1つの渋谷といった感じで、
不思議な感覚です。
まずは、今は渋谷地下を流れる渋谷川映像からです。
地上の有名地点と同じ座標の渋谷川の定点撮影動画が切り替わっていきます。
(今は地下を流れているうえ、ドブ川です)
これが約20分位続きます。
次は渋谷の早朝を車で約20分ドライブです。
道が凄くすいていて、シーンは何度も切り替わりますが、
車は基本的に常に走行状態の映像で、止まる事がないのですごく快適です。
このドライブ、こんなに気持ちいいとは思いませんでした。
次は早朝の渋谷の裏道徒歩散策が約30分です。
人は少ないです。
カメラは常に進行方向を向いていて、一切キョロキョロしません。
驚きの映像!なんと、タモリがNHKで・・・
★★★★★
とにかく、とても面白い企画だ。この作品は、従来のバーチャルトリップシリーズとはちょっと違うが、都会を撮るならば、なるほど、こういう手があったか!と思わせるアイデアが満載で、かつバーチャルトリップシリーズならではの美しい映像だ。
映像は【アンダーグラウンド=渋谷の地下を流れる川を辿る映像】と【グラウンド=早朝の渋谷の街を歩きの主観映像や車載の主観映像で色々なコースを辿るもの】によって構成される。そして、地下の映像はポイントで入る文字情報で地上を連想させ、地上の映像はまた、かつての川を道で辿りながら地下や古の渋谷を連想させる。先日タモリがNHKでかつての渋谷川を道を散歩しながら検証する番組をやっていたが、まさに同じコンセプトを映像だけで見せる作品だ。
導入部は、渋谷の明治通り沿いに流れる川の真ん中をゆっくり歩きながら渋谷の地下を流れる川を辿る。撮影許可はどうしたのだろうか!渋谷はかつて谷で清流が流れていた、とは、聞いた事はあるが、暗渠された川をこんな映像で見せられると、時間の重みや人の営みというものを、色々考えさせられてしまう。
また地上の映像は「早朝の渋谷」がまた普段の表情と違う顔を持っており、そのなんとも言えぬ空気感が楽しめる。歩きのスピードで見せるスクランブル交差点からセンター街そしてスペイン坂へと辿るコース、裏原宿のキャットストリート(旧渋谷川の上)を辿るコース、は貴重だし、臨場感も面白い。そして、カメラカーによるスムースな主観映像による渋谷の地上は、早朝ならではの、ノンストップドライブで、円山町、文化村通り、神山町、道玄坂、明治通りなどこれも面白い映像ばかりだ。
そして、これら全ては、21世紀初頭の渋谷というユニークな都市景観を切り取った貴重な映像財産だと思う。買う価値あり!