インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

ハプスブルク家の食卓 (新人物文庫)

価格: ¥750
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新人物往来社
Amazon.co.jpで確認
なぜオーストリアは世界三大料理に入らなかったのか? ★★★★☆
世界三大料理といえば、中国・フランス・トルコを指す。いずれも宮廷文化が栄えた地域である。ハプスブルク帝国はその長い歴史の中でスペインやイタリアなどさまざまな国を支配下に置き、その国の料理を貪欲に吸収して自国風にアレンジしてきた。また、トルコの侵略とともにコーヒーが入ってきた。
ウィーンにも世界三大料理に名を加えるその資格がありながら、ウィーンはグルメな都市という点ではさほど評価が高くないのはなぜなのか?

本書を読めばわかるがマリア・テレジアの頃には非常に贅沢な食事をしていたようだ。しかし、事実上最後の皇帝となったフランツ・ヨーゼフは簡素な食事を好み、皇后エリザベートもダイエットが高じて食事はいたってシンプルだった。とはいえ二人とも非常にお菓子を好んだため、今でも『皇室御用達』の看板を掲げた菓子店がウィーンのそこここに見ることが出来る。
ウィーンの王宮には銀器博物館があり、そこには膨大な量の銀器をはじめ、陶磁器やガラス器、クロス類などを見ることが出来る。

この本で一番印象深かったのは、西洋人も実はジャガイモが広く普及するまではゴボウを食べていたということだ。かつて、第二次世界大戦時に日本軍の捕虜になった兵士たちがゴボウを出されて、「こんなの食べ物じゃない」と怒ったそうだが、食文化は新しいものを取り入れる一方で消えてゆくものもあるということだ。