問題はよいのですが、この本の致命傷、参考答案が２通あるのはいいのですがほとんど、行為無価値と結果無価値の違いを表現したかたったのか大谷説と前田説で書いてあります。大谷説のかわりに何故、通説・判例で書いていただかったのか・・・前田説と山口説の参考答案も書いてあれば、この本は非常に良い本になると思います。

基本論点についてはある程度網羅されている。
解説部分が充実しており、初学者でもある程度理解できる構成になっている。
また、論点部分をすぐに見つけ出せる構成になっており、反復演習しやすい問題集だと思う。
ただ、論点のあまりない問題の模範解答を見ると、少数説を批判するなどの無駄な部分がある
ために少し混乱する場面はみられる。
さらに、基本的には行為無価値と結果無価値の両方の模範解答がついているが、ついていない部分については「通説」という括りで模範答案が一つしか載せられていない部分があり、行為無価値からは採用できない説や結果無価値からは採用できない説があり、刑法の勉強における「一つの矛盾のない道筋」が貫徹できない場面もある。