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Julius Knipl, Real Estate Photographer: The Beauty Supply District

価格: ¥2,694
カテゴリ: ハードカバー
ブランド: Pantheon
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   循環的、コンパクト。それがベン・カッチャーのスタイルだ。『The Beauty Supply District』には、3つの別個の存在が収められている。1つはカッチャーの8コマのコミック・ストリップ「Julius Knipl, Real Estate Photographer」(「ザ・フォーワード」やその他の週刊新聞に連載された風刺漫画)の80話以上の集大成。もう1つは、24ページにわたる、この本のための書き下ろしストーリー。さらには、カッチャー作品に頻繁に登場する「土地写真家」、ジュリアス・ニプルの住む、想像上のメランコリックな都市の片隅にある商業地区で起こる話だ。この「The beauty supply district(美の供給地区)」では、人々の「美の需要」に、「Synthetic A Priori Corp.(合成ア‐プリオリ社)」や「Surface Meaning Refinisher Inc.(表面的意味加工社)」や「the Senseless Elaboration Parlor(虚飾パーラー)」といった企業がこたえている。

   ニプルの、いつも言い足りなそうなキアロスクロの世界になじみのない読者は、この本を読みこなすのに多少骨が折れるかもしれない(このシリーズの最初の2作「Stories」と「Cheap Novelties」のほうが取っつきやすそうだ)。しかしカッチャーのストリップの特徴が最もよく表れているのは「Beauty Supply District」だ。

   「Expired Coupon Redeemer(期限切れクーポン買戻し人)」の共同墓地で墓掘り競争をするセミプロの墓掘り屋たちの話や、安モノの筆記用具が、詩的インスピレーションをはるかにしのいで素晴らしい作品を作り出してきたいきさつがドラッグストアで偶然わかる話など、カッチャーの真骨頂発揮が満喫できる。しかし、とにかくページをめくってみるまでは何だかわかるまい。

ニューヨーク・タイムズ誌の書評でエドワード・ソレルは『Julius Knipl, Real Estate Photographer』を「80年あまり昔の“クレイジー・キャッツ”以来の最高に独創的なコミック・ストリップ」とよんでいる。この評価を聞くだけでもこのストリップのすごさはよくわかる。しかし、この作品のユニークさを十分に理解して満喫するには、とにかく実際にページをめくってみるしかない。