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個を活かすダイバーシティ戦略

価格: ¥2,520
カテゴリ: 単行本
ブランド: ファーストプレス
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金太郎飴の時代は過去のもの ★★★★★
本書では、GE(ゼネラル・エレクトロニック)やHP(ヒューレッド・パッカード)等のアメリカ企業と日本企業の取り組みが紹介されている。アメリカ企業のダイバーシティ戦略は、優秀な人材であれば性別・人種等は関係ないという発想から出発して、どのような人にも働きやすい環境を整えることを実践している。

働きやすい職場環境とは、勤務時間が自由に決められる、長時間勤務をしない、勤務場所を自由に決められる、キャリアパスを自由に決められる、他部門と協力して働ける、子育て支援を受けられる等がある。

日本では、企業や組織の事業の向上のために、ダイバーシティが取り組まれている。佐賀県庁の取り組みを紹介する。

佐賀県の古川知事が持っておられるテーマとしては、職員が県民の方を向いて仕事ができるようにすることと企業誘致のための競争に勝つことである。

前者を実現するために職員を積極的に異動させ、職員が多くの県民の考え、行動原理を体感できるようにしている。例えば土木職の職員は多くの予算を使うことをよしとする意識がある。そのような意識を持った職員が、税金の徴収をする税務職に就いた場合、どのように意識は変化するだろうか。

まず、相手から嫌われやすい徴収作業が、県庁の財源を支えていることを知る。そして税金を少しでも収めようとしない人とのやり取りを通じて、税金を節約することの大切さを身を持って学ぶのである。つまり、土木職の時から持っていた意識が180度変わるのである。

また別の取り組みとして、中途採用者のサポートをフォローを充実させ、新卒採用のセミナー開催時期を早めて積極的な採用活動を県庁では展開している。その結果、従来では県庁に入らないようなタイプの人々を採用しているのである。
腑に落ちた ★★★★★
会社という組織でKYがなぜ危険なのか、読んで腑に落ちた。
グローバル企業に較べて、国内企業のダイバーシティの必要性は低いとはいえ、活動拠点の国際化と従業員の働き方の多様化を考えると、一過性の動きではない。実例企業の長期ビジョンに立った取り組みが、それを裏付けている。
すっきり ★★★★★
ダイバーシティというテーマ自体、私の周囲でも色々な見方や意見があります(必ずしも女性に限ったものではない)。そんな中、このテーマが出てくる時代背景や、日本の社会固有の留意点などもふまえた解説には、「すっきり感」がありました。仕事の中で参考にしたい事例も出ていて、ありがたかったです。
実践度は低い。企業事例は充実しており参考になる点がある。 ★★☆☆☆
■感想
本書は全体で280頁近くあるのですが、その6割(170頁強)が
企業の事例紹介(8社)です。

そして、肝心のダイバーシティ戦略については、「フレームワークの定義」
から「実践アプローチ」までが30頁と全体の1割のみです。

さらに、「ダイバーシティマネジメントの簡易チェックリスト」が
ついているのですが、1頁に10個の項目が書いてあるのみです。
"簡易"と断っているので仕方ない面はありますが、10項目をチェックした所で
アクションに結びつかないレベルの記載内容である点が残念です。
紙上では仕方無いとはいえ、それでも若干、一般論すぎる面が気になりました。

本書のタイトルは、「個を活かすダイバーシティ戦略」なのですが、
「ダイバーシティ戦略を策定、実践している企業群の紹介」という方が、
内容には即しているように感じました。
帯には「わが社のダイバーシティ(多様性)を探せ!」と書いてあるので、
充実した事例の方が売りなのかもしれません。

タイトルに「戦略」という言葉を用いたことが、読者に誤解を与える上、
敢えて「戦略」という冠を被せたのかしれませんが、全体を通じても
本書においては、「戦略」の定義が曖昧な点が気がかりでした。

フレームワークも紹介されていますが、従来のチェンジ・マネジメントと
差異は無く、本書でも『両者は相違ないように思われるが、異なるものである』
として下記説明がなされていますが、個人的には納得感が少し低いものでした。

 「ダイバーシティ・チェンジ・マネジメントとは、カオスの状態を
  意図的に作り出しながら、組織全体としてそれを調和・発展させていく、
  本当の意味での「マネジメント」にほかならないのだ。」(本文抜粋)

他社の事例自体は、各社細かく調査されており、また経営陣のインタビュー
もあるので、他社の取組み事例として参考になる部分はあると思います。
これら事例を読みながら、自社の状況を分析してみたり、提供されている
フレームワークや視点を意識しながら整理してみることで、自社に即した
もしくは自身なりの気付きを得られるかもしれません。


■構成
本書の構成は下記のようになっています。

・ダイバーシティを推進している企業事例を紹介
 −8社の事例を紹介(事例と経営層へのインタビューで構成)

・ダイバーシティ問題の実態を説明
 −ダイバーシティが注目される背景を解説
 −ダイバーシティ問題の構造と論点を解説

・ダイバーシティマネジメントの進め方を説明
 −属性面の2点の多様性の向上策の視点を解説
 −ダイバーシティ・チェンジ・マネジメントのフレームワークを解説
 −ダイバーシティ・チェンジ・マネジメントの実践アプローチを解説

・ダイバーシティの効用を説明
 −リーダー育成の観点から効用を解説

■コメント
プロローグに書かれていた下記文章は、本質を突いていると思いました。

 自社にとってのダイバーシティは何かという定義においては、
 ダイバーシティを通じて自社のパフォーマンスをいかに向上させるかという
 戦略的な視点が不可欠であり、多様性を活かして何につなげていくかという
 視点が明確に打ち出されている必要がある(本文抜粋・一部加工)