この三人の名探偵、ロード・サイモン・プリムソル、ムッシュー・アメ・ピコン、スミス師というのが、それぞれイギリスの貴族探偵、ベルギー生まれの灰色の脳細胞の持ち主、傘を持ち歩く神父、のパロディで、(訳文のおかげもあるのか)捜査方法や話し方など、誇張されているところはあるものの本家にそっくりで、読んでいてうれしくなってきます。
もちろんキワモノのパロディなどと違ってミステリとしてもしっかりしていて、とてもスマートな英国流のユーモア(っていうんだな、これがきっと)にあふれていて、ミステリファンのためのミステリ、といった感じの一冊です。