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裏庭 (新潮文庫)

価格: ¥662
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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タイトルに反してファンタジー ★★★★★
 この作者の作品では「西の魔女が死んだ」が、中学生などの課題図書に推薦されていて有名だと思うのですが、あちらはタイトル的にファンタジーかと思いきや現実味の多い話で、こっちは「裏庭」というタイトルながらファンタジー色の強い作品でした。

 ファンタジーの基本は作者の幻想から記述される非現実的なものの描写の連続である。
 この「裏庭」も例外ではなく、他に輪をかけてファンタジーであり、コロウプのような新たな生命体を登場させ、人外の理を決定づけて読者を暗闇へと突き落としていく。
 主人公照美は、そんなファンタジーの世界で、非現実的な理屈の連続の中で道を探していく。

 なぜ「裏庭」なのか。
 おじいさんの話などに少しだけ序盤に語られるが、読んでいるうちにはすっかりそんな世迷いごとのような理屈は頭から抜けていき、照美の冒険と現実世界の平行して進行する内容の会合を心待ちに読んでいくことになるだろう。
 そのうちに改めて「裏庭」に対するイメージの固定化がおこなわれ、そしてなぜこのタイトルとなったのかが納得できるようになる。

 比較的描写の多い照美やさっちゃんの心の動きはともかく、登場しないのではないかと思われた父の心の動きにも感動できる。

 結論といえば、科学的あるいは幻想世界的な理屈ですら測れない見事なファンタジーである。
 もちろん完結はしている。
 そして妙に納得させられ、他人を思う気持ちや人生について考えさせられるのは称賛せずにはいられない。

 重ねて書くけどこの「裏庭」という表現の扱い(特に「庭」かもしれないが)には感心した。
 なんか心が広がったみたいなのだ。
言いたいことは分かるんだけど… ★★★☆☆
すっごい読みづらい本だった。高評価だったから、それなりには期待して読んだけど…うーん。やっぱり人の評価ってあてにならないなぁとつくづく思った。
そんなに長くない本なのに、読み終えるのに3日もかかった。だいたいは、一息で読んじゃうタイプなのに。
ちょっと読むと眠くなったり、退屈で違うことしちゃったり…。こんなにのめり込めなかった本って久しぶり。
話は、日本版の不思議の国のアリスかな、という感じ。それよりはちゃんと作ってあって、感じ取って欲しいことが明確に示してある。
全体的に、誰にも、あんまり感情移入して読まなかった。客観的に、本当に「本を読んでいる」感じだった。入っていけないのに話は進んでいくから、ちょっと締め出された感がある。
でも、裏庭に入る前の照美の渇いた感じとか、虚無感とかは、梨木さんだなぁっていう静かさと、ある種の清さみたいなものがあった。西の魔女が死んだもそうだけど、そういう雰囲気は好き。
心に留めておきたい言葉もいくつかあった。パパは最近「徹夫」でいる時間がほとんどない、というくだりは、ああ、大人ってそうやって子供だった自分から遠く離れていくんだな、って悲しくなった。鎧が人生を着ているっていうのも考えさせられるし。一番ギクリとしたのがやっぱり傷だろうなぁ。
スナッフが言った言葉。「自分の傷と真正面から向き合うよりは、似たような傷を品評する方が、遥かに楽だ」って。
自分の傷は見たくないし、触りたくも無い。だから人の傷を見てあれこれ言う。心理学科のわたしは、おおいにギクリとしました笑
全体的に退屈感は否めないけど、一回は読んで損はないかなぁという感じだった。
果てしない物語へのオマージュ? ★★★★☆
ずっと探していた本です。
冒険は少年だけの専売特許ではないのでは?
主人公が旅にでる→障害にぶつかる→旅から戻ってくる、という冒険もので、主人公が少年ではなく少女だったらどんな話になるんだろう?と。
この本に出会って、ようやくその願いが叶いました。
面白い!買って読む価値ありです。
ただ、面白いのですが、この面白さを表現するのが難しい。
善悪の二元論に単純化しない、いい意味での割り切れなさや、現実世界の人間関係への言及は「果てしない物語」のようでもあるし、自分自身の内面の庭を持つ、というところは「風の谷のナウシカ」にも通じる。よくわからない問答をするキャラクターは「アリス」っぽくもある。「庭」を嫌ってしまった祖母が、なぜ娘ではなく、まだ生まれぬ孫の名前に呪文をかけていったのか、読者がいろいろと考える自由が読者に与えられているのもいい。
作者の好きな冒険ものの要素を全部詰め込んだ、そんな作品なんじゃないかな。
若干駆け足ぎみで、あらけずりな印象を受ける部分があったので、☆4つ。
とはいえ、私はこの作品、好きです。またいつか、読み返すことがあると思います。
「裏庭」をめぐる不思議な話 ★★★★☆
 古い洋館とそこに暮らしたバーンズ家にまつわる秘密の「裏庭」を描いたファンタジー。近所に住む主人公の少女照美やその家族、バーンズ家の人々の過去と現在が、「裏庭」を介して不思議な糸で結ばれている話。

 私の場合は、「裏庭」の中の世界の部分は余りに荒唐無稽でついていきにくかったが、現実の世界の部分は、謎めいたバーンズ屋敷の雰囲気や登場人物の配し方、話の展開が上手だなあと感じた。

 私のような中高年男性も、たまにはこんなミステリアスな話を読んでみるのもいいのかもしれませんね。
傑作 ★★★★★
宮崎駿を超えるんではないか?と思えるほど、想像に富んでいて、内容の濃い、こどもが主人公の本だった!
宮崎駿さんに頼んで映画化して欲しいと思う。