10年間のうち初期の写真は、彼がその心の故郷、カリフォルニア州カーメルに戻った際に撮られたものだ。当時、ウェストンは2回目のグッゲンハイム助成金を受けていた。彼は、周囲の海岸をそれまでとは違った目でとらえる。かつては、風景を構成する詳細と静物に注目していたのが、彼の視線はいまや、遠景、水平線、波の動き、自然の力が作りだす気まぐれな情景に引き寄せられている。高度な印刷技術を用いて本書に収められた70点以上の写真には、自然をとらえた作品以外にも、家族の力強いポートレートや自宅の周囲で撮られた日常の風景が含まれている。また、アート・インスティテュートの写真部門のキュレーターであり、エドワード・ウェストンの長年の研究家でもあるデイヴィッド・トラビスが、この時代のウェストンの人生とその仕事を掘り下げた批評文を寄せている。
ハードカバー、26.67×29.21センチ、144ページ、図版100点。展覧会の開催は、アート・インスティテチュート・オフ・シカゴで2001年6~10月、サンフランシスコ近代美術館で2002年3~6月。