80年代のシンプルで不器用な音のオールドスクールから90年代のスクラッチテクニックとサンプラーを多用したニュースクール。その間で進化して、さらに元祖になったトライブ。トラックのオリジナリティー、ロック〜ジャズまでを上手く調理したトラック。Ｑ-ＴＩＰとファイフの掛け合いも最高！ギャングスタとは違ったクールな音楽。2ndと3rdが特に名盤と取り上げられますが1stこそが伝説の始まりでありとても重要なアルバムなんです。まるでビートルズの評価と同じ。変化して進化したものが最高といいますがその基盤であるまっ白で不器用でアイデア、センスがあるのが1stだと思います。とにかく無駄な音がありません！そしてラップにしてもＱ-ＴＩＰばかりがほめられますが・・ファイフのラップも（声質も）素晴らしいじゃないですか！（是非ソロも聞いてみて）まさに素晴らしい音の冒険につれってくれますよ。4人目のメンバージャロービは今何してるかな・・4人でまた・・

タイトルからジャケットから音（トラック）から声（ライム、フロウ）からウ゛ァイブからグルーヴからマインドまで全てが宇宙最高のATCQオリジナル１stアルバム。#1「Push It Along 」intro赤ちゃんのうめき声から、突如シンプルな湿ったドラムに。その８小節後、Grover Washington,Jr.からの何とも幸せなラインが入った所で、このアルバムの良さは決定。さらにもう８小節後にはQ-TIPのあのRAPものっちゃうんだから、奇跡的に最高だ、この音楽は。#3「After Hours」　アリ・シャヒードの魅力満点のコスリ（scratch）から皆のクラップ、groovyなベース、そしてドラムが入った所でこのアルバムの良さは大大決定。こんなに幸せに首を振れる音楽はそうそうない。#7「Bonita Applebum」　intro子供のチャントとQ-TIPの声。エキゾチックに鳴るguitarの合図でdrum、ループ、tipのフック全てがからみ合った所でこのアルバムの本当の良さが、大大大決定。Isley Bros.ネタまんま使いのremixもいいけど、これがoriginal。#8「Can I Kick It?」　何ともLou Reedの「walk on the wild side」のベースラインから始まり、重いバスドラと湿りながらもタイトなスネアに絡むALIのスクラッチで「Yes, You Can!!」って皆で大合唱した所で、このアルバムの良さは誰も言わなくても既に決定。#10「Rhythm」 今のTEI TOWAしか知らない若い人には嘘のような本当の話だけど、outroでテイ・トウワがQ-TIPに「でもさでもさＱちゃん」と日本語で話しかけたのに、 tipは英語でwhassup?って答えた所で、このアルバムの良さは過去も現在も未来も人種も関係なく時空を越えて決定。それでもテイトウワはお構い無しに「...７０年代のP-FUNKが...」って続ける。Original誕生の喜びをold schoolからしっかり受け継いだ、棺桶まで持っていける数少ないオリジナルHip Hopアルバム。

２ndがいい、３rdが最高とか色々言われてますが、この1stも十分いいと思いますよ。全体の流れがきっちりとあって聴いていて気持ちいいです。10、11には何故か日本人男性の声が入っていて驚きでした。お気に入りは、Luck of Lucien、Bonita Applebam、Can I Kick It?、Description of a Foolかな。

この作品は何か空気を持っています。
冷たくも無く、暖かくも無いものですが、流れと言うか、なんと言ったら良いのか分からない。聞けば分かりますよ。
この値段です。損はしません。