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窮鼠はチーズの夢を見る (フラワーコミックスα)

価格: ¥420
カテゴリ: コミック
ブランド: 小学館
Amazon.co.jpで確認
そこらへんの薄っぺらいBLとは大違い ★★★★★
友人に勧められ、ん十年ぶりに購入したBLコミック。
星が足りないよっ!と言うほどの完成度。
作画はそんなにも、ど真ん中では無いなぁと第一印象でしたが、そういう印象もどこへやら・・・。
いやぁ、惚れてしまいそうなほどかっこよく描けているし、どっぷりと浸れました。

コミックという、1冊の縛りとしてのページ数が少ないのか多いのか素人には量りかねますがBLに長けてない私からしても
まるで長い長いドラマの様なストーリーの巧みさ、面白みがありました。
薄っぺらなBLが多い中、同じ縛りでこれだけの満足感。
何度も読み返す事は必至です。

男しか愛せない主人公は大学生時代、ノンケの先輩に絶望的な恋をする。
数年後、浮気調査員になっていた主人公はホテルでかつての片想いの相手である先輩にキスを迫っていた。
浮気調査の依頼主の夫が先輩であり、浮気を帳消しにする代わりにキスだけだからと、取引する。

流されやすい性格の先輩に、チン軽と罵りつつも、かつての絶望的な狂おししいほどの恋心を執拗にぶつける。
そうかと思えば時には、あっさり身を引き他の男と付き合い、冷たい言葉を言い放つ。
そんな主人公を激しく拒絶しつつも、振り回され、揺さぶられ、嫉妬し我を失い落ちていくその様は本当に生々しく
色っぽく見事としか言い様が無い。

うまくいくはずの無い片想いに苦悩する恋心や巧みな駆け引き、緊迫感ある表現力と溢れるほどの余韻。
読み終わった後に、すぐ読み返したくなる作品でした。
これが面白くないというなら何が一体面白いBLというのだろうか・・・。

こういう男同士の漫画に出てくる女子って、とことんチープに描かれてたり、ただただ邪魔な存在だったり
倦厭されがちなキャラが多いと思うんですが、この作品ではそうじゃないところが良いです。
主人公と後輩の元彼女のやり取りに
「あなたに本気を出されたら勝ち目が無い、消えて下さい」
「お疲れさま、負けを認めるならあんたが消えれば」
グッときました。見事なかっこよさです。
BLではお邪魔虫な存在の元彼女ですが、むしろ好感が持て、対等に布告しあう様は素敵です。
そういえば、この(窮鼠はチーズの夢を見る )の題名は初め何の事だか解らず、ピンとこなかったですが
彼女がドブよ!と言い切ったり、猫のライターであったり色々伏線があったのですね。
で、おいつめられた窮鼠は猫を噛まず夢を見たわけです。
噂に違わぬ ★★★★★
とても高評価な作品なので気になっていましたが多数のレビューに
「ドロドロしている」の言葉を見つけ何度も購入を躊躇していました。
ですが、欲が勝って『窮鼠〜』『俎上〜』二冊同時購入。
二冊読後の感想ですが、噂に違わぬ秀作でがっつりはまりました。

『窮鼠〜』が長いプロローグ、『俎上〜』が本編、俎上〜のP299の5コマがエピローグと言った感じですね。

ヘテロだった男がゲイの男に傾き抱く情の葛藤、
ゲイの男自身が抱える負の恋慕の情の描写が細やかでリアル。

『俎上〜』にて、雪の降る中のシーンはとても好き。
大切な会話をしながらも、今ヶ瀬の肩に雪が積もる度に恭一が振り払う…
さりげない優しさの中に、今ヶ瀬を愛おしく想う恭一の気持ちが感じとれジワッと胸が熱くなる。

"絆"とはいきなり出来るものではなく、幾度となく問題を乗り越え育んでいくもの。
不確かな目に見えない糸を互いに手繰り寄せるように、
ぶつかり反発しあいながらも歩み寄った二人に微かな"絆"が見えるようなラストでした。

ちなみに「ドロドロしている」のは愛憎入り交じったモノの事かと思っていましたが、
ドロドロしているのは今ヶ瀬自身でした。

表紙はクラシックな感じが素敵ですね。
恭一のスリーピース・スーツも素敵です。
裏表紙の花ですが、
・『窮鼠〜』→時計草(トケイソウ)/花言葉:信心、聖なる愛、等々。
・『俎上〜』→極楽鳥花(ゴクラクチョウカ)/花言葉:全てを手に入れる、万能、等々。
なかなか意味深ですね。

久々に読み応えのある漫画に出会い満足感でいっぱいです。
未読の方は是非是非、手にとって読んで頂きたいです。


洗練されたストーリーテラー ★★★★★
この作品を読みたいと思ったきっかけは絵が綺麗だったから。でも読んでいくうちにこの作家のスゴさは語り手としての才能にあると感じました。 作り話だから偶然の再会には多少の無理があるし、恋人のデート現場に出くわすなんてことも現実にはあり得ない。 でも、それを感じさせない緻密な人物設定や感情描写が、この作品をリアルにしています。買い物依存症の妻、セックスレスな夫婦関係、女性にはとにかく親切な、反面、決して感情をぶつけない主人公、恭一。登場人物がみんな、今という社会の中で生きている生身の人間って感じです。 だから出てくる人物がみんな魅力的。それぞれに感情移入してしまう。中でもステキなのが恭一を一途に思う今ヶ瀬です。 ノーマルな恭一を相手にどこまでもしつこく迫る今ヶ瀬。狡くて粘着質で嫉妬深い… でもどうしてあんなに可愛いんだろ!? この二人の爛れるような恋愛はどうなるのか? 惹き込まれるように最後まで読んでしまいました。一読の価値あり! そしてこの物語は「爼上の鯉は二度跳ねる」へと続きます。
余韻が残る作品 ★★★★★
レビューを読んで購入。
BL作品は少ししか読んでいないのですが、今までの作品で一番濃厚でした。
人間って、ここまで人を愛せるのかな…と思いました。
男同士の恋愛は大変だな…と。
また再読したい作品です♪
心の底から傑作です ★★★★★
何回読んだか分かりません。そして毎回違う景色が見えます。初読した時は胸が痛い台詞のやり取りが(社会人になって長い者には特に)、2度目は胸をえぐる体の交わりが、3度目は映画のような緻密なコマ割りが。コマ割りで印象的シーンのひとつに最初の方で妻と買い物に出かけた主人公恭一が自分を好きだと言っていた後輩今ケ瀬が恋人らしき男といるのを目撃した途端2人の間にあったレストランの水槽の中の熱帯魚達がパーンと跳ねたように拡がって恭一の全身を被ったところがあります。何故恭一がここまでショックを受けたのかは御定まりの展開だと実は自分も好きだったという事になるのでしょうがそうではありません。そんな楽な展開ではないからこそ何度も読まずにはいられないのです。そしてやはり本作は完結編「俎上の鯉は二度跳ねる」と合わせてひとつの作品だと思います。罵り合い睦み合い意地悪したり優しくしたり最後の最後までどちらに転んでもおかしくなかった2人がどんな着地をするかは2冊セットでお見届け下さい。最後まで読んで私は今ケ瀬が言う通りある意味恭一はつくづくいい男だなと思いました。