日本の音楽の良さをオランダのジャズ・トリオから学んだようです
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企画の勝利だと思います。BGMのような趣がありますが、原曲のイメージを壊さずに、少しずつインプロビゼーションが進み、最後にはまさしく「ジャパネスク」という雰囲気が漂う見事なジャズになっています。
本企画は、「新聞紙上やインターネット上での選曲のリクエスト・キャンペーンで収録曲を公募し、約3,000曲に及ぶリクエストの中から、選りすぐりの12曲を選び抜いた」と紹介されています。原曲のジャンルが多様なのは、そういう意味があったわけです。
マーク・ヴァン・ローンの実にリリカルなピアノは、このトリオの上質な音楽の源泉のようでした。フランス・フォーヴァンのベースは、ピアノに寄り添い、時折美しい旋律を情感たっぷりに披露してくれるところが憎いです。ドラムスのロイ・ダッカスも声高に主張するドラムとは対極にあり、効果的な入り込みがリスナーの心を穏やかにさせています。優れたジャズ・トリオだというのは、3人の一体感が伝わってくる所でしょう。息があい、心から日本の音楽から受けるイメージの演奏を楽しんでいる雰囲気が伝わってきます。
デビュー20周年記念盤ということです。リーフレットにあった彼らのディコグラフィを見ると、この20年の間に20数枚のアルバムを出しており、その安定感と人気ぶりが分かります。
日本の曲をモティーフにしながら、彼らが感じた心象風景のような音楽を展開することで、ジャズの広がりが感じられます。メンバーの感性の趣くままに伸びやかに演奏しているのでしょう。実力のあるジャズ・ミュージシャンの証明のような余裕と深い音楽性が感じられる演奏でした。
日本の懐かしい曲がお洒落なジャズになってます
★★★★★
童謡など日本の歌が、素敵なジャズアレンジメントになっていて新しい楽しみがあります。個人的には、赤とんぼ、いとしのエリー、翼をくださいがお気に入りです。与作をアレンジしてしまうEJTには驚きました!全体的に上品な雰囲気のアルバムになっているので、ホッと安らぎたいときに聴くと、癒されると思います。
BGM用に最適。じっくり聴いても大丈夫。
★★★★☆
自分で聴くというよりは、リビングに流して家族や来客のためのBGM用として購入したのですが、じっくり聴いても大丈夫なほど質の高いサウンドに驚きました。
Jazzにしては端麗なアレンジなほうだと思います。原曲の跡形もないほどアレンジを施すよりも、素材を大事にしているという点で、むしろ好感が持てました。おかげで原曲のアクや臭みがとれ、本来の旋律の香気を味わうことができます。
ベース、ドラムがもう少し主張してもいいかなとは思いますが、メロディーラインにしっかり絡まっているので大きな不満ではありません。個人的にはサウンドにもう少し芳醇さがあればいいなと思ったので、星4つとしました。
どの曲も素材が秀逸なため、最後まで飽きずに聴くことができます。特におすすめのナンバーは「見上げてごらん夜の星を」「与作」です。
Jazz好きでもない妻にも聴かせましたが、原曲とのギャップを楽しんでいました。あと、録音はかなりいいです。
このバンドの演奏ははじめて聴いたのですが、続編も期待したいです。