「うたう」言葉として、その掛け調を味わうのが本来だとは思いますが、 ストーリーを追うだけでも、なかなかのものです。特に「国姓爺合戦」の一種けばけばしくさえある活劇と、「心中天の網島」のなんともやりきれない狂おしさは、派手なストーリー展開にならされた今日の読者でも、間違いなく楽しめると思います。
ただ世話物は、いくらかでも「廓」の下知識がないと、世界に入りにくいかも。