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坂本龍馬 (岩波新書)

価格: ¥777
カテゴリ: 新書
ブランド: 岩波書店
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いい ★★★★★
以前に出された「新撰組」も良かったですが、今回も面白かった。龍馬は司馬遼太郎の過大評価だと言われる方々もありますが、これを読めば過大でも過小でも無い実際の坂本龍馬が解ると思います。
マニア向け? ★☆☆☆☆
「竜馬がゆく」は面白かったけど、司馬遼太郎の創作が多分に入っているらしいので、坂本龍馬の実像を知りたく読もうと思ったのだが。。

こっちの史料によればこう、あっちの史料によればこうと、正直どうでもいいような細かいことが延々書かれている。坂本家の領地の石高が百九十七石だったのか、それとも百六十一石八斗四升だったのか、そんなに重要なことだろうか。

まず著者が筋道立てて龍馬像を描くのがメインにあって、その上で適宜史料を援用するなら分かるが、逆になってしまっている。「はじめに」も「あとがき」も同じような調子でずらずら書きたいことを書いているだけ。正直「はじめに」だけでもう新書としてはアウトだろう。

こんな史料の寄せ集めを新書で出すのは無理があるし、そうかといって学術的な価値があるのかというとそれも疑問。
等身大でも凄い ★★☆☆☆
 松浦玲氏の著書を読むのは、『横井小楠』(1976)以来で
す。80歳近い年齢でありながら、研究生活を続けていら
っしゃるのには、只々敬服するばかりです。
 さて、本書は明治維新の歴史的意義に合わせて偶像化
されやすい坂本龍馬に、客観的資料で迫ろうとしたもので
す。客観的といっても主に書誌学的なアプローチで、しか
も話題が転々とするので、決して読みやすいものではあり
ませんでした。それでも、難航する薩長の連携を上手に仲
立ちしたり、王政復古後に議事院の設置を提言するなど、
彼の思考の柔軟性、先見性は十分読み取れました。
 学識の深さは一流とはいえ、本書の性格は新書には不
向きだったと思います。それを敢えて出版する姿勢は、昨
今の新書の有りように一石を投じたものと思いました。

〔付記〕 見廻り組主導説が有力となる(例えば山村竜也
『天翔る竜 坂本竜馬伝』2009参照)なかで、半藤一利
『幕末史』(2008)は、龍馬はその先見性を嫌った薩摩に
暗殺されたとしています。反薩長史観に立つという同書で
さえ評価しているのは、やはり彼が規格外だったからでし
ょう。(2010.1)

改めて知る、龍馬の凄さ ★★★★☆
言うまでもなく、幕末、反目していた長州・木戸孝允と
薩摩・大久保、西郷に手を組ませて幕府軍に対抗したのが、龍馬である。

その後、徳川慶喜に大政奉還をさせるのだが、ここで龍馬は暗殺される。32歳。
このときの龍馬の新政府構想とは、「薩摩と土佐で慶喜を押し立てる」というものだった。
しかしその後の王政復古のクーデター(と著者は書く)で、
新政府構想は、全く違うものになっていく。

龍馬を描いた本は多い。最も有名なものが、司馬遼太郎の「龍馬がゆく」である。
だがこの本はあくまで「小説」。史実を元にはしているが、脚色も多い。
松浦氏は、膨大な書簡や資料を当たり、脚色された部分をはぎ取っていく。
原典(書簡など)が頻繁に出てきて、やや読みづらいのが難点ではあるが、
第1章の「脱藩」から最終章「京に死す」まで一気に読めた。
面白いし、改めて龍馬の凄さを感じさせる本だ。

もし龍馬が生きていたら…という感傷ではなく、
龍馬の行なってきた業績、構想を丹念に拾い集めることで、
龍馬という人間の凄さと、西郷という人間の大きさなどが浮き彫りにされる。

巻末20ページにもわたる年表、参考資料、索引。
著者自身「あとがき」でも書いているように、新書に収めるためにかなりの分量を削除したようだ。
しかし、むりやり新書にした不自然さはなく。よくまとまっている。
学術論の坂本龍馬 ★★★★★
松浦玲は、岩波新書の新撰組で「伝説」のヴェールを剥がし、あくまでも思想集団の政治結社としてのもう一つの新撰組像を表した。本作品も、坂本龍馬の伝説を剥がして「歴史の中の坂本龍馬」を目指した本。

大量の参考文献と基礎史料を駆使して龍馬像を集めたが、やはり龍馬の凄さを実感する次第である。難解な解釈部分もあり、龍馬研究家に対して厳しい批判も前作新撰組以上にある。それだけ坂本研究の積み重ねが厚いという事と、伝説に汚染されているかという事でもある。

それにしても、龍馬の基本構想は五箇条の御誓文に連なるという松浦氏の解釈に、伝説のヴェールを覗いても、坂本龍馬の凄さを改めて感じざるおえない。
他の評者が語られているように、2010年の大河ドラマを待ちきれないファンにはお勧めの本である。