続いて、シュメール、インダス、ギリシャ、ローマ、マヤ等の古代文明の姿が冷静に描かれています。人類がそこにある植物、動物を利用して繁栄を築き、そして資源枯渇により衰亡した姿を、作物と家畜の性質や収穫量を挙げて丁寧に説明しています。
最後に現在が人類史のクライマックスであることを人口、燃料消費量等のグラフを用いて丁寧に説明しています。
著者は細かい史実にも造詣が深く、うならせるものがあります。
名著であります。
また、光合成は太陽エネルギーが生態系に導入される唯一の経路、などと随所に科学的要点が織り込まれており、単なる歴史の教科書ではない点が優れている。環境は、人間が農業を始めた事によって破壊されだした、というのが根底に流れているが、その農業を意識しなくなっている現代においては、やはり環境悪化は避けられないのだろうかと、考えさせられる一冊である。