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A Painted House

価格: ¥840
カテゴリ: マスマーケット
ブランド: Dell
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   1991年の『The Firm』発表以来、ジョン・グリシャムは押しも押されもせぬリーガル・サスペンスの第一人者である。ところが本書『A Painted House』で、グリシャムは思いきった方向転換をしている。いみじくも著者自身が語るように、この小説では「1人の弁護士も登場しないし、生きるか死ぬかといったシーンもない」し、グリシャムお得意の、策略をめぐらす犯罪者といったたぐいの登場人物はどこを探しても見あたらない。それどころか、穏やかで静観的な物語がつづられていく。

   舞台は1952年、アーカンソー州の片田舎。収穫の時を迎えたチャンドラー農場は、メキシコ人の季節労働者たちと「丘に住む人々」をひとまとめに雇い入れ、80エーカーに及ぶ綿花を摘む仕事を与える。このいかにも牧歌的な「ドリーム・チーム」には、友情に似た感情が育まれていくが、実につらい作業が彼らを待ち受けていた。特に本書の語り手、わずか7歳のルークにとってはなおさらである。
 「ぼくは綿花を摘む。それから一定のペースで茎からふわふわした丸いさやをもぎ取って、それをずしりとした大袋に詰め込んでいく。ずらっと並んだ綿花畑の列を見るのがこわい。作業がいつまで続くかわからないなんてこと、考えたくないもの。作業のペースが落ちてるって気づかれるのもこわいし」

   やがてメキシコ人と、もともと好戦的な「丘に住む人々」の間に一触即発の気運が高まる。とうとう残虐な殺人事件が起こり、運の悪いことに幼いルークがその目撃者となる。そして「秘密」や「嘘」の果てに、ナイフをきらめかせての争いが始まりそうな気配が高まり、物語はたたみかけるような、おなじみのグリシャム・スタイルへと一気に展開していく。しかし基本的には、争いごとに絡む筋は極力抑えられ、ある特定の時代と場所を背景にした、著者の思い出に焦点が絞られていく。つまり本書は、グリシャムの過ごした少年時代のスケッチであり、ひとりよがりの感傷には無縁の、著者自身の追憶の念の記録でもある。

   ルークがバプティスト派のしつけを説明するこんな場面では、どこかおちゃめな(そして印象的な)ユーモアが漂う。

    よちよち歩きのときから通っている教会の日曜学校で教えられたんだ。嘘をついたらすぐ地獄行きだって。逃げ道はないし、チャンスは二度とない。みんな、地獄の炎が燃えさかる穴めがけて、まっさかさまに落ちていくんだ。そこでは、悪魔が、ヒトラーとか裏切り者ユダとか北軍のグラント将軍みたいなやつらと一緒に待ち構えているんだって。「汝、隣人に関して偽証することなかれ」。それって、ウソは絶対禁止っていう意味には全然聞こえないけど、バプティストの人たちはそういう意味だって思ってるみたい。

   グリシャムがこの路線を続けるのか、それとも次回作ではいつもどおりの法律ものに戻るのかは予測がつかない。だが『A Painted House』で、グリシャムは、ただの1枚の召喚状も登場しない、この手のタイプの物語の語り手としても一流であることを証明してみせた。

アメリカ農村の貧しさと更に貧しい出稼ぎ労働者の生活を描いたもの ★★★★★
社会派作家の新境地を拓いたもの。綿花の摘み取りを仕事にする出稼ぎ労働者と彼らを受け入れる農家の生活を、農家の子供の視点から描いた物語。多分、このような生産形態は今でも野菜の多くに残っているはず。アメリカ農業と言うと、とうもろこしや小麦農家に見られるように、広い農地を大型コンバインで大掛かりに収穫と言うイメージだが、トマトやレタスなどは、手摘みしかできないので、アメリカの農家の多くはこういった不法就労の労働者に頼っている。
This book is not like Grisham's ★★★★☆
グリシャムの本は大変好きで何冊も読みましたが、この本は全く違うジャンルといえるでしょう。数十年前のアメリカの様子がとてもよく描写してあり、楽しめました。アメリカの農民たち、移民たちの生活が手に取るように伝わってきます。
ノスタルジック… ★★★★★
リーガルものはあまり好きではない(よくわからないので(~~;)ので
ジョン・グリシャム自体ほとんど興味がなかったのですが、なんとなく
読んでみました。

このころの米国ってすでにかなり豊かな生活をしていると思って
いたので、登場人物の質素な生活や純さ,保守性には驚きとともに
懐かしくホッとするような感覚を覚えました。

小説の進む数ヶ月の間に事件は数々あるので、最初の数章を
超えると読むスピードはあがると思います。
少年の少年らしい感情やモノの見方,規則正しい日々の生活,
質素な暮らし…現在の私たちが失ってしまった温かいモノが
全体に流れていました。

「何がどう」というエンターティメント性やスリルを求める方には
お勧めしないけれど、ハリウッドよりもヨーロッパ映画が好き
という人には合うかもしれません。あと、守りに入ってしまって
そこから抜け出せなくなってしまっている中高年の方にもお勧めします。

柔らかく温かい、そしてなんとなく元気な心を取り戻せる小説だと思います。

淡々としすぎて。。。 ★★☆☆☆
う~ん・・・
確かに7歳の男の子にとっては
スリリングな出来事かも知れないけれど・・・
グリシャムでなくてもいい様な気がします。

英語は読みやすいので初めてのPB向き。

なんとなく読み終わってしまう本 ★★★☆☆
ジョン・グリシャムの法廷物では無い作品として気になったので読みました。内容は主人公の少年を取り巻く様々な出来事という事でその出来事が次から次へと起こるので面白いことは面白いのですが、読んでいる間は良いのですが、終わり方が消化不良気味なのがちょっとという感じでした。相変わらずジョン・グリシャムの作品は読みやすいのでスラスラと読めてしまうのですが、話の終わり方が中途半端な部分が多いのが残念でした。