No Reason to Cry
価格: ¥1,239
名盤との評価も高い1976年作品。ボブ・ディラン、ロン・ウッド、ロビー・ロバートソン、リチャード・マニュエル、リック・ダンコ、ジョージー・フェイム、ビリー・プレストン、ジェシ・エド・デイヴィスなどなど、総勢40人程の超豪華ゲストを迎えて制作された。
リチャード・マニュエルとリック・ダンコ作の<1>は、これぞザ・バンドというべき哀愁味あふれるカントリー・ロック。ボブ・ディラン作の<3>ではなんとディランとクラプトンとのデュエットを聴くことができる。一聴してそれと分かるロビー・ロバートソンのギターも大きくフィーチャーされ、スーパースターそろい踏みのお得な1曲。<5>はザ・バンド解散コンサートの「ラスト・ワルツ」でもプレイされた、カントリー・フレイヴァーあふれる男臭いバラード。2002年に登場した『ラスト・ワルツ 完全盤』でその時の演奏を聴くことができる。オーティス・ラッシュの有名なブルース・ナンバーを取り上げた<7>では、クラプトンの鬼気迫るギターソロを堪能できる。
全体的にザ・バンドの影響が色濃く、彼らの諸作と同様にカントリー、フォーク、ブルース、ゴスペル、R&Bといったアメリカン・ルーツ・ミュージックが穏やかに溶け合っている作品だ。クラプトンのヴォーカルもさまざまな工夫が見られ、表現に深みを与えることに成功している。クラプトンのファンはもちろん、ザ・バンドのファンは必ず押さえておきたい1枚。(今井直也)