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交通事故、転倒、スポーツなどで頭部に衝撃を受けて、脳の実質に重篤な影響が出て、情報伝達を担う神経線維(軸索)が損傷して所々切れ、多彩な精神障害や身体性機能障害が起きることがあるという。
具体的には、(1)記憶力や理解力、注意力、遂行力、集中力が衰える、無気力、ふさわしい行動がとれな、怒りっぽくなる、抑うつ、神経疲労などの高次脳機能障害、(2)失神やけいれんを起こす、(3)においや味を感じにくくなる、食べ物を飲み込みにくい、(4)見えにくくなったり、聞こえにくくなったりする、(5)手足がまひして、ひどい時はつえや車いすが必要になる、(6)尿や便が漏れるなどの症状。
問題は、現在、この軽度外傷性脳損傷を診断できるのは日本でこの先生一人だけということである。
症状が多種多彩な不定愁訴で、CTやMRIでも映らない病変のため、ほとんどの患者はむち打ち、線維筋痛症や慢性疲労症候群、自律神経失調症、更年期障害、高次脳機能障害、脳脊髄液減少症、鬱、心身症などと誤診され、さらには軽度の場合は、一見「歩き、喋られ、食べられる」正常人に見えるため、気の病、仮病・詐病、怠け病、無能者扱いさえされ、数十病院をドクターショッピングしている場合がほとんどである。私も40人弱ものDrを回り、誤診され続けたのち、この先生に出会えた。
日本は軽度外傷性脳損傷については世界に比べ15-20年も遅れており、先生の論文もまだ日本の学会は受け入れていないそうだ。日本には数十万人もの誤診されている潜在患者がいると思われ、WHOも外傷性脳損傷は2020年には世界第3位の疾患になると予測しているそうだ。
早急に厚労省や医師会は、全医師にこの病気について周知しておいてほしい。また、診断基準の作成や後継者育成、全都道府県での受診体制の構築に取り組んでいただきたい。
また、合併しやすい脳脊髄液減少症や下垂体機能低下症、高次脳機能障害とも鑑別診断を徹底してほしい。