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銀河に口笛

価格: ¥1,785
カテゴリ: 単行本
ブランド: 朝日新聞出版
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この人の本、また読もう。 ★★★★★
 あの頃のことを思い出すと、不思議な気分になるよ。何だかキミと一緒に路地を走り回っていた時間が、そのまま今の暮らしに繋がっているような気がしない。うまく言えないけど、どこかで一足飛びにジャンプしてしまったような感じがして仕方がないんだ。僕とキミが、あの時間を共有していたことを忘れずにいるためにーキミが確かに、この世界にいたことを覚えておくために。
 すべての音が止まったような一瞬、視野の中心に奇妙な光が走った。「でも、ホントなんだよ。今の光みたいなヤツ、途中で曲がって区役所の裏に落ちたんだって」「そのウソ、ホント?」キミがいたのは、小さな家の間に、いささか唐突な感じに作られた小さな公園だった。その突き当たりに或るブランコに、キミはぽつんと一人で腰を降ろしていたんだ。「おい、みんな」「ちょっと、あの子に聞いてみようぜ」
 九月一日の始業式の日、キミは担任の青山先生に連れられて僕ら三年二組の教室に入ってきた。その顔を見た時、僕もニシもムー坊もエムイチも、ほとんど同時に声をあげていた。キミも僕らの顔を見ると、小さくVサインをだしたね。「今日から、このクラスの仲間になる林田智樹くんです」「ハヤシダくんって、ちょっと長くて呼びにくいな」「それなら俺にも、みんなみたいにアダ名をつけてくれよ。どんなのでもいいからさ」「すぐには思いつかないからさ、とりあえず林田を呼びやすくして、リンダにしようよ」
 リンダ・・・もしかしたらキミもどこかで、あの日の空を思い起こしたりしているのだろうか。そして僕らと過ごした少年時代を、懐かしく思い出してくれているのだろうか。僕らのしらない銀河を見上げながらー遠い遠い、どこかで。


回想録で進む物語。「ウルトラマリン隊」を結成して、みんなが持ち込んでくる不思議な事件の謎に挑んでいた。印象深かったのは最後の方で、ムー坊が17歳で交通事故で死んだり、同級生の女の子が知らないおじさんにもらわれて娼婦みたい(中学生)になっていたり、オカマ(性同一性障害)が出てきたり「ウルトラマリン隊・・・本当に楽しかったわね。私、モッチやリンダには感謝しているのよ。もちろんムー坊とエムイチ、ニシにもね」スーパーどんぐりを指先で弄びながら、ミハルは言った。「じっと顔を見てたらね、ムー坊が言ってくれたような気がしたの・・・『おい、ミハル、人間なんて、こんな風に死んじまう生き物なんだぞ。死んじまったら、もう何もできないんだ。だからお前も人の目なんか気にしてないで、自分の生きたいように生きろよ』って」「だから自分も好きなように生きようって思って・・・いろいろ大変だったけどね。でもメゲそうな時は、これをギュッと握って、あの歌を歌って元気をだしたのよ」「あの歌って・・・もしかしたら『銀色の道』?」「当然よ。ウルトラマリン隊隊歌って決めたじゃない」
少年時代 ★★★★☆
40代も半分以上過ぎたオジサンになってしまった今でも、あの頃のことを思い出すと不思議な気分になる。そう、キミと初めて出会った小学三年生の夏の日。仲良しグループ「ウルトラマリン隊」のメンバー、エムイチ、ニシ、ムー坊そして僕モッチが市営プールで゙遊び過ぎクタクタになった身体を重い足取りで家へと向かっていた時。回り道になるけど決められたとおり歩道橋の階段をボヤキながら登り・・・、其の時僕達は見た。まだ十分に明るい5時頃、流星のような眩しい光がパッパッパッと3回フラッシュのような大きな光を放って消えた。僕らは落ちたと思しき場所へ疲れを忘れ急いでみるとそこにキミが居た。そしてキミの指差した先に再び流星が現れた。僕らはすっかり興奮し初めて会ったキミと友達になったんだ。キミとハルミを加え「ウルトラマリン隊」は人助けの為探偵活動もする事にした。いくつかの事件を解決していった僕達だったけどどの事件もキミの不思議な力が働いているようで僕らはキミが宇宙人じゃないかと密かに思っていたんだ。そして小学4年生の冬、急に引越しの決まったキミのお別れ会で「スーパーどんぐり」のペンダントを僕達一人一人の首にかけてくれたキミはあまりに忽然と消えてしまった。今でも思う、キミは何処から来て何処へ行ったんだろうと。
朱川得意のノスタルジック小説♪ ★★★★★
今回はホラーちっくな要素は無く、ノスタルジックSFと言えば良いのか…“少年冒険活劇”になっている(^w^)

これは昭和の時代を子供として駆け抜けてきた今の大人…中年以上の人達が読むと間違いなく胸が熱くなります。


私の子供時代には当然、小説に出てくるリンダみたいな少年は居なかったけど

読み進めていくうちに、子供の頃にしか吸えなかったあの時代の空気がじんわりと胸の中に広がって…


ラストは気づけば頬に涙が流れていました。



ズバリ!私は好きです♪この小説。


30代後半〜40代後半の方、どうです?

あなたも読んでみませんか?


子供時代の“空気感”…あの頃の“時代の匂い”がよみがえりますよ


ちょっと中途半端 ★★★☆☆
昭和の只中40年代、一人のふしぎな少年が現れ、僕たち「ウルトラマリン隊」に合流する。
みんなが困っている問題を解決するべく活動する彼らに、ふしぎな力で手助けする少年「リンダ」。あれから30年、当時を回想する形で綴られる物語。

朱川氏独特のノスタルジックホラーぽい小説ではあるのですが、今回は昭和の懐かしさも描きたい!ふしぎな世界も描きたい!という作者の思いがどっちつかずの体をなし、なんだかぱっとしません。
「リンダ」のふしぎな力は、いったいどこからくるのか、探し物を見つけたり、人を地面に吸い付けたり、あげくの果てにはおばあさんの台詞をもってして「天使さま」にしたり、ナンセンスすぎます。なので、本来なら泣けるような話(小松さんのおじさんにもらわれてしまう話とか、)も感情が上滑りしてしまい、もったいないような気がします。

可もなく不可もなく… ★★★☆☆
小学校の3年生の2学期に転校してきた林田ことリンダ。望月ことモッチは不思議な力を持つ彼と他の仲間たちと一緒に探偵団を結成する。そんな小学生時代の仲間たちと過ごした楽しくてちょっと切ない日々を回想する物語。きれいにまとまっていて読みやすかったのだが、特別な展開もなく物足りなかった。もう少しあっと驚くような場面が欲しかった。