インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

日本型人事管理―進化型の発生プロセスと機能性

価格: ¥3,360
カテゴリ: 単行本
ブランド: 中央経済社
Amazon.co.jpで確認
人事関係者にお薦めします ★★★★★
この本は、私が仕事で携わっているBPR推進活動にあたり抱いていた、欧米流のビジネスプロセスを背景に設計されたERPソフトを、日本的な経営管理、人事管理を行っている企業に導入することにより、旧来の業務形態が欧米流の業務形態に改革、刷新できうるものだろうかという疑問について、斬新な仮説を基に、日本型人事管理の進化型を予測し、学術的に実証することで、その答えを導いてくれたと感じている。
 その答えは、この本をひも解いて頂くことにするが、改革を進める日本企業にとって、当事者には気づくことが難しい、今、自社に何が起きていて、どこに向かおうとしているのかをこの本は、人事管理の進化型を示すことを通して示唆してくれる。
 また、この本では「(人事)情報」と「人事管理制度」、さらに人事管理における「費用」に着目して論じられており研究専門書としての意義が高いが、大手企業6社の人事管理をケース・スタディーとして扱っており、他社事例を学ぼうとする人事部関係者にとって有益な情報が得られることも魅力であり、是非、人事部関係者には一読を薦めたい書である。
ヤル気がでる人事管理 ★★★★☆
日本企業を再生させるため、社員をヤル気にさせるインセンティブ・システムや、社員の能力アップのためのトレーニング・システムを備えた人材マネジメントの解説本である。著者の人事部門での経験や調査結果と理論が、うまく融合され、モデルを用いてわかり易く解説されている。日本労務学会の学術賞や労働政策研究・研修機構の優秀図書を受賞した本なので、学術的な評価は高い。
組織のマネージャにとっても多くの示唆あり ★★★★☆
Chandlerの「組織は戦略に従う」やAnsoffの「戦略は組織に従う」に対して、皮肉まじりに「組織は流行に従う」と言われることがあります。組織戦略の根幹である人事管理では、各社一様に業績の優れた企業のベスト・プラクティスを模倣することは珍しくありません。バブル時代の日本的人事管理への無批判な賛美や、バブル崩壊以降のアメリカ的人事管理への無条件の信奉は、まさに組織・人事は流行に従っている事を示しています。しかし、他社やアメリカ企業の真似をして本当に業績が向上するでしょうか?
本書は、この問題に真正面から取り組んだものです。優れた業績の組織は、歴史の中で培った模倣困難な組織風土があり、組織を取り巻く社会制度、環境、文化、それらと人事管理手法が適合したからこそ優れた業績を実現していると言います。Barneyの言う「模倣困難性」をもった他社の人事管理手法をコピーしても、自社の血肉にならないという事ではないでしょうか。IT環境の進化や、社会環境の変化に対して、その変化に人事管理を適合させるべく制度を進化させる事が、業績の向上につながるというのは重要な示唆だと思います。
本書は学術書でありながら、我々実務家にとって多くの示唆がある良書でした。巷に溢れる人事管理のハウツー本のような浅薄さは無く、緻密な先行研究のレビューを積み重ねながら実際の企業で抱えられている人的資源管理の問題の核心に迫っているもので、読破には体力が必要でした。しかし、読みこなせば実務家である人事部スタッフはこの本から多くの含意を汲み取れるでしょう。そして一線で活躍する組織のマネージャも多くの示唆を得られるでしょう。本書は、社会心理学のKurt Lewinが言う「良い理論ほど実践的」を実感できるもので、著者の実務家としての経験や問題意識を生かした今後の研究が楽しみです。
人事部長以外にもお勧めです ★★★★★
 オビ書きの中で、特に「人材の抱え込みはなぜ起きるのか、適材適所はどうしたら実現できるのか」と「人事部長の必読書」の部分が気になり購入しました。
 私自身は典型的な日本企業(製造業)に勤務し、直接人事制度にはかかわりをもっている訳ではありませんが、会社の人事制度自体がこの何年かの間に大きく変化してきており、また立場としても人を預かり、育てる立場でもありますので、現在の日本企業の人事システムがどのような理由で、どう変化してきているのか非常に興味がありました。
 筆者の指摘している進化J型の特質である1)職能主義から職務主義への転換、役割等級制度の導入、2)コア人材の人事部個別管理強化とキャリア自律支援制度の導入・拡充 を私の勤務している会社は人事制度の大きな変革の中で、導入を図り、かつ毎年その見直しをしてきていますが、本書により人事制度を変革する意図・バックボーンをかなりの部分で理解することができたように思えます。
 また、当書が人事制度について焦点を絞っていることは間違いのないことですが、日本企業とアメリカ企業の特質を比較する中で、今後、日本企業のすすむべき姿を示していうることを強く感じました。日本企業には日本企業をとりまく環境・制約があり、その状況下で、アメリカ企業をまねるのではなく、セカンド・ベストかもしれないがベストを追求していくことの重要性・必要性をあらためて感じました。
 学術書ですので、所々わかりにくい言葉や記述もありますが、筆者のキャリアもあるのか、非常に実践的で説得力があり、自分の会社や職場を省みて、腑に落ちる点が多い良書だと思いました。
 人事部長以外にもお勧めすべき内容です。
人事部と世の多くのマネジャーにとってのバイブル ★★★★★
本の帯にあった「人事部長の必読書」にとどめておくにはもったいない印象でした。むしろ、人事は「ひとごと」と突き放されている世の多くのマネジャーが読んで快哉を叫ぶはずだと思いました。私にとっては、企業人事を理論的に理解するためのバイブルになりそうな感動です。

以前、人事部で6年間過ごした私の感想は、人事って、会社の決めに委ねられる部分が多くて、「人事部がルールブック」で済ませている部分が多いということでした。でも、人事は人事部だけではなく、人事部と多くの職場のマネジメント層とのコミュニケーションから成り立っているものなんですよね。

現在、神戸大学大学院教授である著者は、単なる学者先生ではなくて、長く企業で人事実務に携わったのち転身された方のようです。そこには、人事実務の世界と学術理論の世界の両方を見た者にしか語れない説得力と明日への希望を与えてくれるものがありました。私のような非才にとって、我が社の人事部以上に懇切丁寧に人事の何たるかを解説してくれ、非常にありがたかったです。
人事部を離れ事業部門で長くマネジャーを務める私にとって、いま初めて合点がいった部分も多くありました。そして、人事部の連中に「まずあなたたちが読み、考え、新たな行動を起こせ」と叫びたくなりました。生のマネジメントに日々悩みつつ、でも結局、我流で解決している多くのマネジャーたちが、人事の世界を独学するのにもうってつけだと言えます。

人事やマネジメントに関する数ある本の中で、人事の事象を解説する単なる読み物ではなく、当事者であるビジネスマンが、実際の企業ケースに触れながら人事管理理論を学び、確信を得て明日への一歩を踏み出せそうな一冊です。

内容は濃く、読み飛ばせる軽さはないですが、人事は大事。じっくり腰を据えて読めるバイブルを得ることは、長く実務の世界で過ごす私たちビジネスマンにとって、まさに大事であり、幸福だと思いました。