メディアの在り方について考えるためのうってつけの1冊
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最近事件になるとしきりにワイドショーで過熱的に報道する事件が増えている。今で言ったら「朝青龍問題」にしろ「秋田連続児童殺害事件」にしろ、「亀田家」にしろ…。
私はこの2つの事件についていえることはこの過熱報道による報道被害にあるのではないかと考える。ではその報道被害とはいったいどのようなものなのか。本書では「松本サリン事件」「桶川ストーカー殺人事件」「福岡一家四人殺人事件」を中心に取り上げられている。
なぜこの報道被害があるのかというと加熱し続ける競争にあると指摘している。当然TV局や新聞社、週刊誌がどこより早くもそしてより詳細なスクープを求めている。それについては私も否定できない。しかし、「やりすぎ」というものがある。上の事件はそれを象徴している。確かに真実を知りたいというのはある。しかしそれによって被害者のプライバシーが破られ、第二第三の陵辱にあってしまうことも忘れてはならない。時々行き過ぎの訂正報道などがあるがほとんどの被害ではそういう訂正・お詫びが見られないというところもやはりメディアが正すべき所でなかろうか。
メディア・リテラシーと叫ばれている世の中、もっとメディアにもモラルがなければその信用が失墜する。もう失墜しているか…。