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ガラスの鐘の下で―アナイス・ニン作品集

価格: ¥2,310
カテゴリ: 単行本
ブランド: 響文社
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恋の錬金術 ★★★★☆
短編部分はエリック・サティのピアノ曲のような影の濃淡と軌跡 涙の音色 絶望のなかの
透徹と読後感が寒々とするので星4つ
アナイスは大盤振舞で非情だ その意味でアナイスの神秘は戦国武将のカリスマを思わせる
光源氏もアナイスも多情で世間でも成功した しかしアナイスの晩年が光源氏の晩年ーー
孤独と罪悪感にさいなまれたものではなかったのは アナイスは 時と場合に応じて
夢か人間性か 魂の真実か愛か どちらを優先させるか いつも的確に判断したからだとも
二十世紀は個人の欲望が組織(家庭も組織)から はじけて とびはねる時代だったからだとも思う
アナイスファンの方々からの寄稿は 究極の快楽をほしいままにした女への憧れも突き放しも読み取れる アナイスは自分の作品を小宇宙と位置づけていたというが 人々のアナイスへの想いや 離れ技のような生き様からすると 可憐なパートナーというよりは遠くから仰ぎ見るにふさわしいトリックスターだ 
また 晩年のアナイスは質疑応答で醜聞化を狙っているような訊き方をされても
自分も他人も おとしめず 自らの芸術の真髄を即興できた
こんな女流作家を わたしは現代日本に 思いつけない
すこぶる瀟洒な本 ★★★★★
二十世紀の女性記文学の代表ともいえるアナイス・ニンの処女作品集。
作家の五木寛之さんが日刊ゲンダイのエッセイの中で、「中身もそうだが、装丁もふくめて、すこぶる瀟洒な本だ。」と褒めておられた。
たしかに表紙のほかに、それぞれの短編の翻訳ごとに山本直影さんの装画もじつにシンプルで美しい。文字は紫。本は二部構成で、前半は翻訳、後半は12人のアナイス・ニン論からなる。
まるで本そのものから、アナイス・ニンという女性が立ちのぼってくるようだ。もしアナイス・ニンがこの本を手にとることができたら、きっと「ほうっ」と感嘆の吐息を漏らすのではないか。
この「ガラスの鐘の下で」はアナイス・ニンが仲間とともに印刷機を動かして出版した作品だという。部数はたったの300部。そんなふうにして世に出た作品をまたこんな形で読むことができる幸せ。
忙しない日常の中で、二十世紀を生きた女性作家の魂と向かい合えたような気がする。