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「明治」という国家

価格: ¥1,835
カテゴリ: ハードカバー
ブランド: 日本放送出版協会
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明治維新は「革命」であったのか、薩長土肥連合による王政復古クーデターにすぎなかったのか。歴史家の間で意見の分かれるところである。本書で司馬は、幕藩体制の担い手だった武家階級が自らのハラキリによって「廃藩置県」を実現し、「国民国家」の土台を築いたことは、世界にも稀な革命であった、という明快な史観を展開してみせる。これほどの「政治的破壊作業」ができたのは、欧米列強のアジア進出に「日本人が共有していた危機意識のおかげ」だった。明治は「透きとおった、格調の高い精神でささえられたリアリズム」の時代で、そこに出現した「明治国家」は、江戸270年の精神遺産だった。司馬は江戸と明治の2つの時代に、脈々と流れる精神の連続性を見る。その具象として、小栗忠順、勝海舟、福沢諭吉、西郷隆盛、大久保利通ら多彩な群像を、科学者の透徹した目と小説家の豊かなイマジネーションで、鮮やかに浮かび上がらせる。「明治は多くの欠点をもちつつ、偉大としかいいようのない」時代だった。これに対して、戦後までの昭和は「イデオロギーが充満して国家や社会をふりまわした時代」で、まるで別国、別民族の観があると言う。しかし、この「非連続性」をもたらしたものが何であったか。残念ながら、司馬は語っていない。(伊藤延司)
日本人のあるべき姿 ★★★★☆
歴史のエピソードは、いろいろとあり、歴史書を読むたびに新たな発見があり、また忘れるが、何かのきっかけでまた再び記憶が呼び戻されることもある。小栗上野介等のエピソードは聞いたことがあるものの、活き活きと描かれている。歴史はいろいろと評価がある。その評価は必ずしも心地よいものばかりではないが、それが結果的に現在につながっている。現代的なところではなく、すでに亡くなった作家が書いた歴史観を現代と照らし合わせて、つながっている部分と外れている部分を紡いで楽しみたい。
大人向け『21世紀に生きる君たちへ』 ★★★★☆
 『21世紀に生きる君たちへ』とは、司馬遼太郎が小学生向けに書いたエッセイの一つである。
 「小学生向け」と銘打ってあるのだが、子供が読んで感じることはもちろんのことだが、それ以上の年齢の人が読んでも気づかされることばかりだ。
 本作『明治という国家』は、小学生よりも上の年齢すべての人に向けられた『21世紀に生きる君たちへ』なのだと思う。

 本作を読んでいて一番気になったのは「国民」という言葉だ。

 作中、特に後半部分にこの言葉が多く登場する。
 明治時代は日本に初めて「国民」が誕生した時代でもあったし、「国民」を誕生させるために多くの人の苦労や血が流れていたことがわかった。
 しかし、現代の日本人はこの偉大な人物たちが思い描いた「国民」になっているのだろうか?流された血に見合うだけの生き方をしているだろうか?

 司馬遼太郎は現代の日本人たちが間違った方向に向かっていることを憂えて書いたのだと思う。
 そして、素晴らしい21世紀を創ってほしい願いから書いたのだろう。
 現代に生きる私たちはメッセージを感じ、今後の人生に活かしていくことが必要なことだと思う。
”人間”というもののプロフェッショナルはかく語り ★★★★★
 
 司馬先生のその文章力、洞察力、資料・研究の裏付けられた遺作の数々は、今もなお私たちに過去の広がりと繋がるきっかけを絶えず与えて下さり続けている。が、それ故に著書の中で起こっている齟齬や矛盾や、はたまた司馬先生がつくりあげた架空の人物を歴史の実在の人物であると思い込んだりすることがある。
 それは危険だ。危険だがなんということはない。私たちがそれを「危険なことである」と認識しておればいいことであり、どちらかというと私は「司馬遼太郎は認めるが、司馬遼太郎の史観に賛同するやつは認めない」というような思い上がった評論家面する人間の方がよほど度し難く思う次第だ。

 いやいやそんなことではなかった。この本について私が感じたことだ。

 私はこの本を読み泣いたのだった。うれしかったから泣いた。私が今一番知りたいことが書かれていたからうれしかったのだ。共感できたのだ。また、この国のことをそこまで心から愛している人がいた、ということに心うたれたのだ。

 私が知りたかったのは、「なぜ彼らにはできて私たちにはできないか」ということだ。
 彼らは文字通り身命を賭けてこの島国のために、後世に生きるであろう自分たちの子孫のために、つまり私たちのために全力で闘ったのだ。そしてそこには思想的な美しさもあった。「己を殺し、仁を成す」こと。「列強に並ぶため一丸となる」こと。「日本国民である」こと。

 彼らが命がけで守った国に、私たちはあぐらをかいているのだ。知ってしまってなぜそんなことができよう?なぜ情けないと思わずにいられよう?

 日本は素晴らしい国だと思う。美しい国だと思う。そう思うことから始めなければ、愛せるわけがない。
 愛してもらうことから始めよう。

 そしてまず最初にこの本を愛していただきたいと思った。

 行間が広くとってあって非常に読みやすく、巻頭にはカラー写真のページが30ページ以上あるのでオススメでありんす。

  
気分転換としての遼太郎節 ★★★★☆
 いつもの遼太郎節である。筆者の主な著書を読んでいる読者なら、この部分はどこから引用してきているなということがすぐにわかるだろう。もし、お読みでないなら、是非司馬遼太郎という人物がそれぞれの著書の中で何を言いたかったのかを知って欲しい。この本はエッセンスではあるが、味読するにはそれなりの教養が必要である。
司馬先生の片思いかな? ★★★★★
元々NHKの番組の為に書かれたものですが、カメラの前で自分の思いを語る司馬先生を見ていて、
本当に今やなくなってしまった「明治という国家」が好きだったのだなーと思いました。
テレビ番組ということで、エピソードの羅列のようになっていますが、そこには司馬先生の確固たる見方があります。
とはいうものの、司馬ファンとしてはつらいのですが、明治は明もあり、暗もあった時代ですが、と言いたくなります。
明治への想い。この頃思うのですが、司馬先生のその想いは、日露戦争まで丁髷をしていたお祖父さんへの
郷愁があるのではと推測したくなります、