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ぼくたちのアニメ史 (岩波ジュニア新書)

価格: ¥819
カテゴリ: 新書
ブランド: 岩波書店
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生神様の自伝である。 ★★★★☆
著者の講演会を聴いたことがある。
77歳になりましたという前振りから、半生を語ってくれた。
柔軟な思考と語り口に、とてもその年齢とは思えなかった。
隣に座ってたマニアらしき人は「生神様だ」とつぶやいてたのが印象に残ってる。

その生神様の自伝である。
読んでいて著者の記憶力の良さに圧倒される。
次から次に出てくる人名と作品名。
本来なら4倍程の厚みで書かねばならない内容を、無理矢理圧縮している。
その為に十分意図が伝わっていないように思われる。それが惜しい。
将来アニメ史が大判になる時、本書は必ず参考資料にされる本。
それだけの情報量が圧縮されているし、著者本人がその渦中の人である。
巻末に年表と索引が載っていないのは岩波書店の怠慢である。
戦後テレビアニメの屋台骨を支えた伝説の巨峰によるクロニクル ★★★★★
■辻真先氏はアニメ脚本家、ミステリー作家。1932年生まれの氏は戦後日本のテレビアニメの屋台骨を支えた。アトム、エイトマン、ソラン、ジャングル大帝、デビルマン、サザエさん、鬼太郎、巨人の星、サイボーグ009、タイガーマスクなどアニメの主要なものに氏は脚本家として関わったのである。執筆脚本数は前人未到の千五百本超! 「アニメ脚本界の神様」といってもおかしくない生きる伝説の巨峰だ。
■本書は辻氏が、1960年代から今日までのアニメ史を眺望するクロニクルである。モノクロ時代の「サイボーグ009」のオリジナル作「太平洋の亡霊」で、憲法第九条全文をテロップで流した逸話など、感動必至のエピソード満載。それはもう読み始めると面白くてたまらない。私は、持続する志の大切さをしみじみと痛感した。
■2009年秋に完成すると聞く京都・松籟社からの書下ろし単行本『「鉄腕アトム」から「電脳コイル」へ アニメとはなにか』にも注目!
辻真先の思い出話と驚異的なアニメ追随力 ★★★☆☆
 辻真先って迷犬ルパンとかの小説家だと思っていたら、元々はNHKのテレビ黎明期の社員だったのね。で、アニメが好きだったから、平井和正やら手塚治虫に声をかけられるとホイホイNHKを抜け出して、TBSやら虫プロでアニメのシナリオを書いていたとのこと。

 本の中では2000本ぐらいシナリオを書いたとあるが、なにぶん古いので記録も残ってないし、別局のアニメを同時に手がける時にはペンネームを変えていたので、さらに良く覚えてないそうな。とにかく、エイトマン、ジャングル大帝、巨人の星、アタックNo.1、サイボーグ009、デビルマンと書きまくったようだ。

 昔、書いてましただけなら「へえ」で済んだのだが、そうは行かなかった。アニメ好きは70歳半ばにしても衰えを知らず、今度は見る側に回り、ひぐらしのなく頃に、蒼穹のファフナ−、ガンダムSEEDまで見ているというから、あんたアリゾナの老人か?と聞きたくなる。マウスパッドは綾波レイらしい。最高のお気に入りは銀魂だってさ。

 しかし、本としてはまとまりが無く、あっち行きこっち行きするので、精神的に疲れた。
アニメ“史”ではないような ★★★☆☆
アニメ史としてみるのであればこの本は失格だ。
作者の思いのままに時系列はとぶわ、取り上げる作品は偏っているわ。

たとえば「セーラームーン」は「ひみつのアッコちゃん」や「魔法使いサリー」の流れをくみ、
かつ「闘う女の子」の新境地を開拓したアニメであったと思うのだけれど(個人的な好き嫌いを抜きにして)、
名前すら挙がらない。
多分著者にとって思い入れがない、もしくはあまりかかわっていない作品だからなのだろう。

というか、よく考えたら「セーラームーン」に限らず、自分の世代が見たであろうアニメは
ドラゴンボールに軽く触れられていることを除けば、なんだかすっぽり抜けているような気がする。
もしかして彼がアニメからちょっと離れていた時期だったりするのだろうか?
それともあまりいい作品がなかった時代か?

とにかく、そういった著者に忘れられた作品がいくつか気になって、
アニメ“史”としては正しく歴史を追えたような気がしない。
がしかし、アニメに長年携わり、アニメを愛する者として書いたエッセイとしては大いにありだと思う。
とくに昔のアニメ制作秘話など、今のジュニア世代にはけっこう斬新でよいのではないだろうか。
ぼくたち=大人も含む万人向けのアニメ思い出語り ★★★☆☆
 アニメ界の御大による小中学生向けのアニメ史講座・・・と思ったら
油断します。人名や非常用漢字にルビが振ってあることを除けば、1ページ
あたりの文字数や総ページ数は普通の新書とさして変わりません。

 本文180p弱で戦前の黎明期から『秒速5センチメートル(2007年)』までを
一気に俯瞰するのです。一つ一つはどうしても扱いが小さくなるのは致し方
ありません。

 またどちらかと言うと各作品の論評というよりは、こんな時代にはあんな
作家(主に監督&演出・脚本・作画)がいて喧々諤々して作品作りに掛けていた
という思い出話的な要素(そこに著者が関わった仕事の紹介)に比重がおかれて
います。

 既知の事柄も多く含まれているのかもしれません。
とは言え第一線で長く活躍して且つアニメが「好きな(これ重要でしょう)」
人による現場の声、というのは貴重だと思う次第。
 
 当時の人間関係がどのようになっていたのか?というのは類書でもそうそう
お目にかかれないので(類書そのものが少ないのだが)読み物を超えて資料と
しても貴重だと思います。

 "Cool Japan"と形容される文化になるまでには、こんな素敵な作品が積み
重ねられてきた歴史がある、ということを知る為にも読んでおいて損は無い
一冊と考える次第です。