LCAとPopulation Balance Modelを統合し、従来のLCAの静的な性質を大きく改善し、経時的な環境負荷の測定を可能とする手法には目から鱗である。さらにはピンチ解析の手法も統合し、環境負荷を最小化する設計に大きく役立つ手法を構築している。この拡張されたLCAの手法は従来の手法の限界を大きく越えるものではないだろうか。
本書には従来のLCAの解説と演習問題も含まれており、本書1冊でLCAについては相当の理解が得られるだろう。
また、第1章は地球環境問題の概説、第2章は経済的手法についての解説だが、全体の約1/3のページを割いている。この部分は他の文献からも広く入手できる情報であるため、拡張されたLCAについてもっと解説や事例があればなおよかった。