インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

奥羽越列藩同盟 (中公新書)

価格: ¥840
カテゴリ: 新書
ブランド: 中央公論社
Amazon.co.jpで確認
140年前日本人同士が戦っていた ★★★★★
鳥羽伏見から敗走した会津藩支援のため成立した奥羽越列藩同盟は、会津討伐を進める薩長新政府軍と対決を深めていかざるを得なくなる。同盟側に日和見、裏切りなど足並みが乱れたこともあり、戊辰戦争は奥羽越を舞台に婦女子、農民までも巻き込んだ悲惨な展開となる。結果は、まさに「勝てば官軍、負ければ賊軍」で、わずか140年前の「輝かしい」明治維新は、同盟勢力の徹底的な粛清でスタートしたとも言えるのではないか。著者は、結びで次のように総括する。「日本の戦後処理のまずさは第二次世界大戦でも指摘されているが、戊辰戦争でもまったく同じで、賊軍の名で奥羽越を一方的に片付け、日本の近代史にとって、戊辰戦争とは一体なんだったのか十分に討議、検証することなく、歴史の闇に葬ってしまった。これは日本人の恥ずべき歴史感覚であることを指摘し、この本を奥羽越列藩同盟の参謀と、山野に朽ちた兵士や農民、婦女子たちの霊に捧げたいと思う。」強く共感するところである。
皆が知らない歴史の中に埋もれた真実 ★★★★★
星さんの作品は何冊か拝見していますが、なかなか興味深い内容で面白い。
私も幕末関連の話には大変興味があり、色々な書物を拝見しているが、いつも感じるのは、明治新政府は欺瞞に満ちているということ。確かに時代の流れはいつかは変わるしかなかったのだろう。しかし、薩長が採った方法は余りにも暴力的だったのではないか?殊に会津などに対する憎しみは最早私怨としか感じられない。現代の感覚で当時を量ることは、或意味難しいのだろう。時代により、各々がよって立つところが異なるのだから。しかし、薩長のあれほどの幕府及び会津に対する憎しみがなければ、明治維新はあれほどの犠牲を出さなくて済んだのではないか?幕府は既に色々な意味に於いて弱体化してしまっていた。徳川慶喜は多分平時に於いては利口な将軍になったかも知れない。しかし、あの激動の時代では殊更優柔不断にしか感じられない。この慶喜が将軍であったことは、それぞれに於いて不幸であった気がする。それに明治天皇が余りにも幼すぎた。薩長や一部の公卿たちに利用されたとしか思えない。そして、権謀術数の巧みな薩長や岩倉具視などに対して、列藩同盟は余りにも純朴であった。そういう面と近代兵器の差で敗北したのだと思う。また、最初から裏切りの内包があってはこれは崩壊するしかなかった。個人個人は才能があっても、所謂チームプレーが叶わない。長い泰平の世は、危機意識を薄れさせてしまった。薩長は後の政府にとってのあたら素晴らしい人材を無闇に散らしてしまった。会津藩たちは或意味頑なだったかも知れない。しかし、私自身は権謀術数に優れた存在よりも、頑なまでに一途で純朴であった会桑庄などの諸藩に何故か思い入れしてしまうのだ。
明治維新とは何だったか。 ★★★★☆
日本の「いま」を考えるのに、欠かせない教材が明治維新です。
いまになってみると、明治維新がすべて、日本のいまをいい方向に導いたように記述されますが、果たてしそうだったか。
そう疑って日本史を振り返ってみようとしたとき、本書は多くの示唆を与えてくれます。
日本の「これから」が厳しく問われているいま、その原点を問いただすのに、絶好の書です。
日本の近代成立の陰に葬られた真実 ★★★★★
とりあえず東北人として、どうしてこの書をもっと早く読んでいなかったかと悔やまれた。きれい事で語られることの多い明治政府確立の陰にあった、ごく身近な辛い戦乱の様と先人の苦悩が実に生々しく語られる。単なる「過去の事実」として歴史の闇に葬ってしまってはならない、今の時代に生かさねばならない多くの「真実」がある。闇に葬られた「真実」はいつか必ず息を吹き返す。日本の近代が根底から問われだしている今がその秋(とき)かもしれない。

「九重幼沖にして知る所なし
 姦邪隙を窺いてその和を逞しうす
 兵を用いる、もとよりやむを得ざるに非ず
 それ生霊塗炭の苦しみをいかにせん
 反する者反に非ず、賊、賊に非ず

天皇はいまだ幼く世の中のことは何一つ知ってはいない。それをいいことに薩長の姦邪が私意をほしいままにしている。彼らの挙兵はやむを得ない事情があってではない。戦いによって人々は塗炭の苦しみを受けている。どこに正義に反する者がいて、どこに賊がいるというのか。」(小林虎三郎)

お勧めの本 ★★★★★
従来の薩長中心の歴史観を180度回転させてくれる本。奥羽越が必ずしも西国雄藩に比べ思想、文物的に劣っていたのではないことを考えさせられた。教科書的歴史に飽きた人にはお勧め。