派手
★★★★☆
オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団、それに曲がチャイコフスキーとくればいやが上でも派手で、良くも悪くも「わかりやすい」演奏になりそうだと期待できるが、期待を裏切ることのない仕上がりになっている。ハイフェッツとライナーの演奏をよく聴いているのだが、ライナーの愛想のないオケとは違い、オーマンディは存分に手兵フィラデルフィア管を鳴らすので欲求不満にならないのがいい。そして、オケに負けじとばかりに高らかに、そしてたっぷりと鳴らすパールマンもチャイコフスキーのコンチェルトとは相性がいいと思う。
実はこのCDで意外だなと思わされたのがはいティンクとのメンデルスゾーン。ハイティンクとコンセルトヘボウとはちょっと思えないような派手で賑やかな演奏なのだ。もちろんパールマンのヴァイオリンを邪魔するようなことはないし、基本的にはやや湿り気を帯びたコンセルトヘボウの音ではあるのだが、カップリングされているチャイコフスキーに負けないくらい派手な演奏をしている。
数多くあるチャイコフスキーとメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲のCDのなかで、もしかしたらこのCDが一番、初心者の方におすすめしやすいものかもしれない。とにかく、両方ともわかりやすい演奏。