フランケル:映画音楽「バルジ大作戦」 (Frankel: The Battle of the Bulge)
価格: ¥1,408
戦後のすばらしいオーケストラ作品のひとつとされて喝采(かっさい)を浴びたベンジャミン・フランケルの一連の交響曲、それをレコード化して高い評価を得たのに続き、CPOレーベルはこの作曲家の映画音楽作品を集めたシリーズを発売する。フランケルのスコアで飾られた劇場用、TV用の映画は105本あるが、「バルジ大作戦」(1965年)はその最後の作品で、彼の映画音楽の傑作でもある。「史上最大の作戦」や「大脱走」並みのスケールを反映して音楽は78分以上あるが、完成した映画ではミキシングのレベルが低かったため、音楽の大半は今回のリリースによって初めてきちんと聴けるようになった。スリリングなモーターのリズムに満ちた壮大な戦闘シーンから、伝統的なクリスマス・キャロルが挿入された一瞬の平和を経て、捕虜(ほりょ)たちの大虐殺という恐怖の場面まで、これはまさに巨大なカンヴァスに描かれた映画音楽である。サウンドは大胆にしてダイナミック、これまでもウェルナー・アンドレア・アルベルトの指揮のもと、フランケルの音楽を数多くレコード化してきたクィーンズランド交響楽団も、きびきびとした感動的な演奏でこたえている。フランケルのヴィジョンがもつパワーが全面的に解き放たれるのは、ヴァイオリン協奏曲「600万人を偲んで」においてで、これはハリウッドにインスパイアされてというよりも、第2次世界大戦の恐ろしさに対するフランケルの個人的な、心の奥底からの反応なのである。(Gary S Dalkin, Amazon.co.uk)