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経済成長理論入門―新古典派から内生的成長理論へ

価格: ¥2,520
カテゴリ: 単行本
ブランド: 日本経済新聞社
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経済成長理論の理解に資する好著 ★★★★☆

 先ず最初に、これは要望であるけれども、D・C・ノース=R・P・トマス著『西欧世界の勃興―新しい経済史の試み』を是非とも復刊して欲しい。当書においても、経済史の研究者として初めてノーベル経済学賞を1993年に受賞した新制度派経済学の重鎮、ダグラス・ノース博士の成果に触れているが、経済成長理論の理解に当たっては、数学はもとより、その背景として経済史の素養や後述する制度的な視点なども不可欠であり、ノース博士たちの考究を差し置く訳にはいかないのではないだろうか。

 さて、『ソウルフルな経済学』を著したダイアン・コイル女史も「富と貧困」の問題に焦点を当て、「何が経済を成長させるのか」という“謎解き”を展開している。本書でも経済成長と経済発展をテーマとし、〈ソロー・モデル〉や〈新古典派成長モデル〉、〈ローマー・モデル〉や〈内生的成長モデル〉などについて、最低限の数学的手法等も援用して概説する。また、政府の政策や制度、つまり経済のインフラストラクチャーの当否にも論及しており、この分野におけるイントロダクションとしては好適であると考える。

 著者のジョーンズ博士は、本書で「よりよい経済政策には、経済成長のより正しい理解が必要である」(p.11)と述べている。ところで、政権を獲得した民主党のマニフェスト(09年8月18日発行)を改めて眺めると、供給サイドの成長戦略に関する直接的な記述が不思議と見当たらない。かのトニー・ブレア=ゲルハルト・シュレーダーでさえ“supply side policies have a central and complementary role to play”(Europe:The Third Way/Die Neue Mitte,1999)と宣揚しているのだが…。
入門書として使えるところは十分にある。 ★★★☆☆
中-上級以上のマクロ経済学は概して成長理論から始まるが、そこで使われる数学が難解であるため、多くの学生はそこで苦しむことになる。
また一方で、日本のテキストブックの多くは経済成長論を十分にカバーしていないため、経済成長論の議論自体を追うこともままならなくなり、挫折してしまう学生も少なくない。

この本は、執筆当時UCバークレーの助教授で現在は同教授を務める気鋭の研究者による経済成長論の入門書で、特に日本でマクロ経済学を中級以上まで学ぶ学生にとっては非常に有用である。この本を読んで、初めてわかることがでてくる学生が多くいることは間違いない。

読みやすい反面、議論が単純化されているため、読む者を選ぶのは仕方がないだろう。この本は初心者のための本である。そして、そうであるがゆえに、素材を提供する翻訳者の側にはプロの仕事を求めたい。

あとがきにあるように、この訳書が大学院のゼミテキストから生まれたもののせいか、英語から日本語に無造作に移そうとしている節があるところが散見され、アメリカの入門書に特徴的な流れるような叙述を損ねている。また、引用文献の表記が本文中では、何故かカタカナ表記になっており、即座に参考文献リストと照合できない仕組みになっている。

これらの点で、若干信頼を欠きながら読むことにもなろうが、原書をとるよりはむしろ、この本で手早くおおよその議論に触れて、上級書に取り掛かる方が賢明かと思われる。また、簡単な微分方程式の使われ方をここで実際に目にすることが、数学学習のモチベーションを高めることに繋がると考えられるので、上級の経済学で使われる難解な数学について触れる場としても有用であろう。
星4.5!!! ★★★★☆
新古典派成長理論に多大な貢献をした、ソロー・モデル。
1980年代内生的成長理論研究を盛んにする起因となったローマー・モデルこれらの議論の展開をメインに本書は構成されている。
なので、内生的成長理論を体系的に理解するのに適した本ではないが、現代成長理論の先端を理解するには最適な「入門書」だと思う。

言葉も平易で現実生活に即した例も多く用いられて非常に読みやすいと思った。また、議論の展開において多少一般式が出てくる。一般式の考え方に慣れていないと少し進みにくいかもしれないが、しっかりと式の展開を理解するように読み進めれば、数式による議論に慣れることが出来ると思う。難易度は高校時代の数学をそれなりに理解していれば、ほとんどの式を理解できるレベルではないだ㡊??うか。

値段も相対的に見て決して高くない方ので成長理論をこれから学ばれる方には読むことをお勧めしたい。

意義が感じられない ★★☆☆☆
世界には所得の高い国もあれば低い国もある。その事実を理論的に解明しようというのがマクロ経済学の一応用分野である、成長論である。もちろん理論というものは社会のある一部分を裁断し、その制約された条件の中で整合的に構築されるものであるから現実の社会を完全に書き表すなどということは不可能である。しかしながらこの本はあまりに不十分すぎる。そもそも最初から国民の所得をK(資本)L(労働)で図るといわれてもぜんぜん納得がいかない。数学的に簡単になりもちろんその内容は理解がやさしくなる。だからといって必ずしも効果がないことをこの本は見事に実証してくれた。そのような思いを強く抱いた。正直なところこの本を読む必要性はないだろう。
経済成長理論の入門書 ★★★★★
 本書は経済成長を理論的に分析する枠組みである新古典派の成長理論や内生的成長理論の教科書である。この分野は数学を多用する分野であるが、本書ではできる限り簡単な数学(微分や指数・対数など)を用いて解説をしているため、多少数学が苦手でもなんとか読みこなすことができる。さらに、本書の特徴として単なる理論モデルの解説ではなく、経済成長や経済開発の具体的な問題にもしばしば言及されている点が挙げられる。本書を読むことで経済成長理論に関する理解が深まるだけでなく、経済成長のメカニズムに対する理解が深まるだろう。「世界には成長を遂げた先進国とそうでない発展途上国が存在するのはなぜか?」こういった疑問を持つ人には是非読んでもらいたい本である。