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マダム貞奴 ―世界に舞った芸者

価格: ¥2,625
カテゴリ: 単行本
ブランド: 集英社
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西洋の視点からとらえた日本最初の女優「マダム貞奴」 ★★★★☆
「マダム貞奴」について書かれた書籍は結構ありますが、本書の特徴は、日本人ではない外国の人が貞奴を取り上げた外国文献を丁寧にたどって綴ったというところに価値があると思います。内容は国内外の資料を駆使しながら実に丹念に貞奴の生涯を追っています。翻訳書ではありますが、訳文も読みやすく、好著であるのは間違いありません。

筆者のダウナー,レズリーは、イギリス生まれで、1978年に初めて日本を訪れ、その後何度も来日した日本通です。また、翻訳者の木村英明氏は、早稲田大学大学院文学研究科博士課程を修了し、ロシアや東欧の文学・文化専攻した研究者です。

本書を手に取ったきっかけは、もう四半世紀前になりますが、NHKの大河ドラマ「春の波涛」が好きだったからです。このドラマは、本書の主人公の川上貞奴、「オッペケペー節」で知られる夫の川上音二郎、福澤諭吉の娘婿の福澤桃介(のちの「電力王」で、若き日の貞とのロマンスは有名で、音二郎死後、貞と連れ添っています)、明治の元勲伊藤博文(芸者時代に貞奴を水揚げした)等が登場した近代の開化を描いたもので、とても興味深いドラマでした。

そこに登場したエピソードは、本書でもしっかりと叙述されており、ニューヨーク、ロンドン、パリ、シカゴ等の外国での公演での好評価や、当時の西洋の文化人が貞のことを絶賛したエピソードは本書でも具体的に展開されています。

「世界に舞った芸者」というサブタイトルは、いかにも西洋人の視点ではありますが、貞奴のイメージそのものですので、読者をひきつけるものだと思いました。