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あの谷のむこうに

価格: ¥1,680
カテゴリ: 単行本
ブランド: つり人社
Amazon.co.jpで確認
たどり着いたその先に、新しい旅がある ★★★★★
レビューのタイトルは、写真にはUPされていませんが、
挿絵をちりばめた本の帯にあった言葉です。
とっておきたくなる素敵な帯です(すみません帯フェチです)。
やさしい手触りのカバー紙と、なぜか微笑を誘う印象的な装画
(装丁フェチでもあります)。
森の川で釣りをしている人を、タイトルと著者名の間から
クマがこっそり見つめているって…!?

前作『山を上るイワナ』の帯には、
「秘境のかけらを拾いに、今日もふらりと旅に出よう」とありました。
本作はおそらくその続編にあたるもので、二十の短編が収録されています。
目次を記しておきます。

帰郷・廃校・山桜・鬼あざみ・夏の日・マイマイガ・安家行・蛇になったイワナ・雷雨・化石の谷・
拾った羽・ひかりっこ・じゅうねもち・芽吹きイワナ・夏独り・産女川・カワウ・祖父さんの夏休み・
秋の分け前・あの谷のむこうに

北東北の街に暮らす著者の、日常の小さな旅の中での
さまざまな発見や出会い、別れが作品のモチーフになっています。
著者は釣り人なので、舞台は主に渓流の森の中であったり山里であったり。
でも、自然や素朴なもの、不思議なコトが好きな人なら、
まったく違和感なくストーリーに入り込めるでしょう。
ノンフィクション(おそらく)から、
フィクション(たぶん)にするりと引き込まれてしまう
エッセイと小説の間をゆく著者の独特のセンスが、とても好きです。
一つ一つの短編を通じて、北東北の見知らぬ田舎を旅したり、
不思議な体験を自分もしているような、
そんな魅力にあふれた本でした。
最後の話「あの谷のむこうに」は、ジーンときた。
帯の言葉「たどり着いたその先に、新しい旅がある」にも結びつく、
人生に希望を感じさせてくれる物語です。
若い人にも年配の方にも、ぜひ読んでほしい。
著者は年配の方ですが、文体はしなやかなユーモアと、
みずみずしさにあふれています。
ちなみに女性の方は、この本を読むと、男というものは年にかかわらず、
いつまでもやんちゃ坊主なんだということを理解していただけるかと(笑)。