インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

スターリン・ジョーク (河出文庫)

価格: ¥1,983
カテゴリ: 文庫
ブランド: 河出書房新社
Amazon.co.jpで確認
政治的ジョークの辞典 ★★★★★
著者があとがきで書いているが、政治的ジョークというのは古今東西、それほど個別的な特色があるものではなく、むしろ定型化したパターンを踏むことが多いらしい。

とすれば、政治的ジョークの面白さは、その社会の不自由さや傍目には冗談としか思えないことを大真面目にやっている度合いに比例するしかないわけで、そのチャンピオンはおそらく東西冷戦最盛期のソ連・東欧ということになるのだろう。さまざまな時代や地域を素材にした政治的ジョーク集は他にもあるが、この皮肉やくすぐりの効き具合は他の追随を許さない。

東西冷戦の時代をある程度知っている人であれば、おそらくは手放しで笑える一冊なのだが、手放しで笑っているばかりでは、それ自体が政治的ジョークになる可能性に思い至らないかも知れない。この面白さの原因をマルクス主義に求めることが大いなる誤謬であることを、最初に書いた著者の言葉から思い起こす必要があるだろう。軽々しく他者を笑う者は、他者に笑われる者ともなるのだ。
真っ赤な冗談 ★★★★☆
ジョーク集。
といっても「社会主義政治ジョーク」である。
こういう本の面白さはを説明するのは難しい。
実例でゆくしかないと思うので、2つだけ紹介させてもらおう。

1.
 強制収容所での労働の休憩時間、3人の男が集まって、お互いの身の上話を始める。
 1番目の男「俺は ****年、ポポフ(ある政治家の名)に反対して捕まったんだ、あんたは?」
 2番目の男「俺は ****年、ポポフに賛成して捕まったよ、あんたは?」
 3番目の男「俺がポポフだ。」

2.
 ルイセンコ(ソ連の農業アカデミー総裁)がバッタを使った実験を行う。
 彼はバッタの前脚をもぎとり、「飛べ!」と命令する。バッタは驚いて跳ねる。
 次にバッタの中脚をもぎとり、「飛べ!」と命令する。バッタはやはり跳ねる。
 最後に、彼は後脚をもぎとり、「飛べ!」と命令する。
 しかし、脚を全て取られてしまったバッタは飛ぶことができない。
 彼は結論を下す。
 「以上の実験から、バッタの聴覚器官は後脚に存在することが確認された」

古本屋で見つけて買ったのが10年前。
あまりに面白いので人に貸したら帰ってこなかった。
だから、上の小話は思い出して書いているのだが、
あらゆる点で壮大な実験であった「社会主義国家建国」のまっただ中で、
やはり壮大な迷惑を被っていた当時の人達の「ユーモア」は、
凡百のパーティージョークとは全く異なるものだ。

手にはいるなら、一度は読まれることをお勧めする。