最初に買った平沢さんのCDがこれ。1曲目のハルディン・ホテルから強烈な印象を味わうこととなった。こういったインパクトの強い曲(歌声も含めて）をつくる人はなかなかいない。それから20年ちょっと経つが、ずっと平沢さんにはまりつづけて今に至るのだから長いつきあいだ。

自分の印象としては、CD全体がアメリカ大陸先住民をテーマにした、いうイメージがあった。でもよく聞き直すと最初の3曲にそういうイメージを感じていたのだった。それだけインパクトが強かったらしい。

最近ファンになり、ソロアルバムを集めましたが
このファーストアルバムが一番お気に入りになり、何度も聞き返しています。
一曲一曲としての完成度は低いのかもしれませんが
平沢さんのチャレンジャー精神にあふれる意欲作だったのだと思いました。

特筆すべきは声のきれいさ。今でも年齢を感じさせない美声をほこる平沢さんですが、ソロの初期の曲を聴くと
このころが全盛期なのかな、と思ってしまいます。
ストーリーのあるアルバムではないので、のちのソロ作品と比べると統一性がなく、ばらばらした印象です。
P時代の曲あり、演歌みたいなのあり、戸川純さん参加の曲あり、平沢ソロってかんじの穏やかな曲あり。
はじまりは混沌だったんですね。

　いまふりかえってみると、音楽としてはもう「ｓｉｍ　ｃｉｔｙ」において平沢ソロは完成されてしまい、この作品の楽曲のような奇妙な歌はもうつくらないんだな、と思うと淋しい。
それが洗練というものかもしれない。最近のソロ作品から聴き始めた人にはちょっと癖が強すぎるような気がするが、いまでもインタラで演奏されている「ハルディン・ホテル」が収録さ
れている。このミュージシャンのファンになってもう１５年たったが、彼の作品で最も良い曲だと思う。

バンドのしがらみを断ち切って制作したソロ第一弾。P-モ未発表曲もあるが秀作多し。特に1,2,10は色あせない名曲。捨て曲なしの初々しい清新な楽曲の群れ。通して聞くと、昨今の産業音楽に汚れた耳が活性化する。ヒラサワソロの原点。