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嵐が丘〈下〉 (岩波文庫)

価格: ¥945
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
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嵐が丘(上) ★★★★☆
サマセット・モーム「世界十大小説」の一つに選ばれている傑作。
確かに時代背景は古く、ヨークシャー地方といってもぴんとこないが
そこに住まう人間たちの心の内と、荒涼たる風景の描写が
まず重々しくシンクロして圧巻である。
若くしてこれを書くことのできた作者の力量は
登場人物たちと同じく、どこか狂気を抱えていたに違いない。

上巻は孤児ヒースクリフが、魂の片割れとも云うべき歪んだ令嬢
キャサリンとのすれ違いにより失踪、再度嵐が丘に姿を現すところまで。
現代日本の恋愛なぞ全て茶番であると感じるような
生の激情がぶつかりあう「恋愛小説」がここにある。

翻訳に賛否両論あるようだが、
専門家ではないため原文のニュアンスまで
正確に読み通す英語力が無い身としては
判りやすく、ありがたい。
a chainless soul ★★★★★
エミリ・ブロンテのことは、NHKドラマ「ハゲタカ」のエンディング・テーマとなっている以下の詩の作者として知った。

Riches I hold in light esteem.
And Love I laugh to scorn;
And lust of Fame was but a dream
That vanished with the morn -

And if I pray, the only prayer
That moves my lips for me
Is - 'Leave the heart that now I bear,
And give me liberty.'

Yes, as my swift days near their goal,
'Tis all that I implore -

Through life and death, a chainless soul,
With courage to endure!

ブロンテの考える"a chainless soul"すなわち「自由な魂」を持った者の哀しみが、この物語では描かれている。
身分違いの恋を成就させることができず、発狂死を遂げた女主人公キャサリンの亡霊は、童女の形をとってヨークシャーの荒野を彷徨う。
現在と過去、夢想と現実とを巧みに織り成して、物語は読む人を、人間のこころの不思議へと誘うのだと思われた。

「ねえ、ネリー、わたし、もし天国へ行ったら、とってもみじめな思いをすると思うの…
地上に帰りたくて胸が張り裂けるほど泣いたら、天使たちが怒って、わたしを荒野に放り出したんだけど、落ちたところが嵐が丘のてっぺんで、嬉し泣きして目がさめたわ。」

「穏やかな空のもと、ぼくは墓のまわりを歩きながら、ヒースや釣鐘草の間を飛ぶ蛾を眺め、草にそよ吹くかすかな風に耳をすませた。
そして、こんな静かな大地の下に休む人の眠りが安らかでないかもしれないなどと、誰が考えつくだろう、と思うのだった。」
すらすら読めます。 ★★★★☆
読みやすい。拍子抜けするほど、読みやすい。古典じゃないみたい。
物語は主人公にとって運命的であったであろう恋愛を、あっさりと家柄とか何やらで踏みにじられ、そのいたたまれない愛憎を、人の苦しみこそが我が喜びとばかりにネチネチと、グリグリと、嫌がらせを繰り返し、やがては家系の崩壊にまで追い込んだ主人公が、それでも何のカタルシスには成り得なかったという悲劇。ストーリーはだいたいが1人の家政婦によって語られるスタイルで、19世紀のイギリス版「家政婦は見た」というカンジ。オペラとか(できるだけ仰々しいヤツ)聴きながら読むと雰囲気でるかも。もちろん、スコッチウヰスキーも忘れずに。
念願の通読できた!! ★★★★★
~読書が好きな私だけど、『嵐が丘』だけは、これまでどうしても読み通せなかった。高校でも、短大でも、図書館には必ずこの小説は備えてあったし、自分で文庫を買ったこともある。世界文学の名作で、最上の恋愛小説だと、誰もがいうので、一生懸命に読もうとしたけど、何故かいつも挫折。諦めかけていたとき、岩波文庫で新訳が出たのを知った。訳者の名前に驚~~いた。だって、私の愛読書の『ラフカディオ・ハーン』の著者ではないか!早速読んだ。親しめる訳文のお陰で、すらすらと最後まで読めた。しかもすごく楽しめた。生まれて初めて、『嵐が丘』が傑作だと納得できて嬉しかった。同じ原書でも訳者でこんなにも違うものなのも初めてわかった。~
名作をより近づきやすいものにした優れた訳 ★★★★★
旧版の岩波文庫の訳は、私が大学生の頃でも通読するのが辛かったのですが、河島氏の訳は予想を超えて読みやすい訳文になっており、これなら読書離れの著しい今の若い読者でも、愛と復讐の激しいこの小説の面白さがよく味わえることでしょう。これだけ正確でしかもこなれた訳文を生み出した訳者の苦心が偲ばれます。ヒースクリフとキャサリンの情熱に圧倒されながら、物語の展開を追っていけます。世界文学屈指の名作、されつつも、実際に読み通したことのない読者も多いこの作品が、新訳の登場で誰もに身近かなものになったことは、喜ばしいことです。