諦めない気持ち
★★★★★
07年夏、愛工大名電の背番号10が甲子園のマウンドに上がった。その彼が、原因不明の難病、ベーチェット病を抱えていたことは、観客の誰もが想像していなかったことではないだろうか。
この作品は彼の生い立ちから、発病、高校入学、そして、甲子園のマウンドに上がるまでを描いている。特に中盤から後半にかけて、愛工大名電に入学してからのことが野球に限らず、いろいろな面から細かく描かれている。
冒頭で、無事に甲子園のマウンドに上がることができたとわかったが、本の中で夏の大会が進むにつれて、少しドキドキしながら読み進める自分がいた。
本人の野球ノートだけでなく、チームメートの野球ノートなども引用されており、本人たちの心情がリアルに伝わってくる。また、野球に関することだけでなく、主人公、章吾君の言葉にすごく勇気付けられたり、前向きな気持ちにさせて貰えることが多々あった。
野球好きな人だけでなく、多くの人に読んで貰いたい作品。