オーキーの才能が爆発!81年作
★★★★★
非常にキャッチーな10のヒットでいわゆる第二次ブリティッシュインベーションの先陣を切った一枚。NEW WAVE系のバンドで初めて全米1位を記録した記念すべきナンバーで、バグルス、ウルトラボックス、OMDでも成し遂げなかった快挙である。流れに乗ったのではなく流れを作ったといえる。(ゲイリー・ニューマンの“カーズ”が例外的に最高9位をマーク。)まあプロモーション次第では上記の方々も成功できたと思うけども..。このバンド、なぜか他のエレポバンドに比べ叩かれてることが多い気がするが、中身は意外と硬派で曲自体はこれまでに比べ格段にメロディアスになっているが、要所要所に前作の残り香が感じられる音作りとなっている。5のなにかが小爆発するようなドラム(?)の音はこの時点ではかなり斬新。8なんて未来にワープしてる気分になれるし。男女関係を歌ったものは9と10のみで他はシリアスな歌詞が多い。要するに決して売れ線のみを意識して作られたアルバムではないということです。実験性とポップなメロディが絶妙に同居した傑作中の傑作。まさか本人たちもこんなに売れるとは思わなかったかも。(しかも保守的なアメリカで)
上手く"波"を捉えたか
★★★☆☆
正直な所、本作('81年作)に収録されている[10]のヒットのみでしかこのグループを見ていません。'70s後期に英国で結成されたという点からすると、所謂、ポスト・パンク路線のコンテキストで語る事もできるのでしょうが、そのあくまでシンセ主体のポップな感覚が時代(次代='80s)に受け入れられた事が幸いしたと言えます。
ELO(Electric Light Orchestra)の持つポップ&クラシック性、クラフト・ワークが持つ一貫した孤高性といった、同じようなシンセを主力として使うグループと比較すると、演奏力がどうのとか、歌唱力がどうのとか、といった部分では正直勝ち目はないのかも知れません。
#前後作品を全く聴いていないので適切なのか否かは判りませんが、、m(_ _)m
ただ、例の第二次ブリティッシュ・イノヴェーションの波が音楽業界を席巻した頃にぶち当たったというのも幸いしたのでしょう。
ポップになったヒューマンリーグ
★★★★☆
ヒューマン・リーグはこの「デアー」の前までは男性ヴォーカルのみだったんだけど、このアルバムからサイド・ヴォーカルに女性ふたりが入って、マニアックなニューウェーブ・バンドからメジャー感のあるポップバンドに生まれ変わった。
このアルバムにはヒットした「愛の残り火」が入っている。
シンセサイズドポップ
★★★★★
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ヒューマン・リーグ出世作
★★★★☆
収録曲#10「Don't You Want Me(邦題:愛の残り火)」がヒット。このアルバムがヒューマン・リーグを80年代ポップ・シーンのスターダムに押し上げた。#10以外にも#2「Open Your Heart」、#9「Love Action」などキャッチャーな曲が多く、お勧めできるアルバムだ。彼らの不思議なところは、ボーカル フィリップ・オーキーがけっこうな感情的起伏をつけて歌っているにも関わらず、そのウェットさが生々しく伝わってこないことだ。こう書くと批判めいて聞こえるけれどもそうではない。このボーカルがエレクトロ・ポップのメロデーと実にうまく結合し、他のグループとの違いを鮮明にしている。またメンバーでもある女声バッキング・ボーカルやコーラスがどことなく洗練されていないことがかえって新鮮なのも不思議で、それらあまたの不思議さが彼らの魅力に結びついているといえよう。アルバム「DARE」は発表当時、彼等のビジュアル性に驚いたことやユーロ・ビート全般の隆盛を思い出させてくれる一枚だ。