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図説 大航海時代 (ふくろうの本/世界の歴史)

価格: ¥1,890
カテゴリ: 大型本
ブランド: 河出書房新社
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世界史のダイナミックスさを如実に感じる「大航海時代」 ★★★★☆
生命をかけながら未知なる領域へ船出するロマンが強く感じられ、歴史書を読んでいても冒険小説を読破している感覚に襲われます。ポルトガル、スペインを始め、大航海時代に西欧諸国が競って未知なる世界に船出して、多くの情報をもたらしたことにより少しずつ世界の全容が見えてくる時代が到来したのです。

本書は、そんな「大航海時代」という言葉を日本で定着させた東京大学名誉教授の増田義郎氏の著作ですから、視点や記述内容の確かさから信頼のできる書籍だと思っています。図解入りで分かりやすく記述していますので、初学者にも理解できる内容です。

第1部では、シルク・ロードに関する内容やローマ人が中国へ辿り着くという古い時代から書き始めています。唐の時代や十字軍についても書かれており、「大航海時代」について詳しく知りたい、と思う読者を少しはぐらかすような編集には驚きました。
その理由は「あとがき」を読んで納得しました。東洋史の権威・宮崎市定先生が「西洋人が地理学上の発見などということからして間違っている」「東洋人は誰にも発見されないでも古い昔からこの地に住みついて、進歩した生活を送ってきたのである」という言葉を受けて、増田氏がインド洋=南シナ海圏というまとめ方をして、書き下ろしたのが本書であるとしています。

内容です。
第1部 未知なる東方へ つながるヨーロッパとアジア(陸の道と海の路、地中海世界とインド洋、インド洋世界の発展、騎士・商人・伝道者)
第2部 大航海時代(ジェノヴァとポルトガル、コロンブスとインディアス、ポルトガルのアジア進出、香料諸島をめぐる争い、大航海時代と近代世界)