ご承知の通り、IIAは「内部監査は、組織体の運営に関し価値を付加し、また改善するために行われる、独立にして、客観的なアシュアランスおよびコンサルティング活動である。（以下略）」と定義しています。
「経営に資する統合的内部監査」は初めて聞く言葉ですが、第１章において、アシュアランス型内部監査とコンサルティング型内部監査の関係が明快に整理・解説される中で、「経営に資する」ということと「統合的」ということの本質がストーリー仕立てで明らかにされます。アシュアランスとコンサルティングの関連についての考え方は今までの類書にはなかったもので、私にとっては、まさに目からウロコでした。
J-SOXの２年目が始まり、内部監査資源のリバランスも考慮しながら、本書が示すような一段次元の高い内部監査を目指す必要性を感じます。
あずさ監査法人は、他の大手監査法人に比べて出版点数は少ないようですが、本書にあるような独自の視点を提供してくれることがあり、非常に有難く、感謝しています。