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六条御息所 源氏がたり 一、光の章

価格: ¥1,890
カテゴリ: 単行本
ブランド: 小学館
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吐息やささやきや声を殺した笑い声まで聞こえてきそう ★★★★★
古典では脱落しました。
瀬戸内寂聴さんのを読もうと張り切ってみましたが、いつのまにかこれも脱落。
でも林源氏物語は違いました。
六条の御息所の語りがしっとりと美しく、とても入り込みやすい。
現代小説のように男女の睦言をリアルに書き込んでいなくても、きわどくエロティック。
光源氏の美しいさまも分かるけれど、そのおろかさもよくわかります。
とにかくはやく続きを読みたくてたまりません。
面白いことこの上なし、オススメです!
こういう源氏物語もあっていい。 ★★★★★
有名作家が何人も試みて、それぞれのスタイルで書いてきた「源氏物語」の現代語訳。
林真理子もついに、そういう大御所的ライフワークに参戦!とあいなりました。

タイトルでおわかりのように、源氏を愛しすぎて生霊になってしまった貴婦人・
六条御息所が、林真理子にかわって源氏の生涯を語っていきます。身分の高い家に
生まれ、東宮妃までのぼった六条にかかると、源氏の父である桐壷帝と、身分の低い更衣の恋は、
はしたないものであり、度を越した帝の間違いでもあった、という解釈になります。
帝と身分違いの更衣のロマンスで生まれた美しい皇子、というおとぎ話感がいきなり
良い意味で破壊されます。

源氏と女人の閨まで、御息所の生霊は自由に飛び、その愛し合う場面までしっかり見とどけ
嫉妬というスパイスをふりかけて、私たちに届けてくれます。

みやびやかさやせつなさ、絢爛たる感じ、という理由で「源氏物語」を愛する人たちには
もしかしたら「やりすぎ」と言われるかもしれない林源氏ですが、私は、それぞれの
人物が、汗を流し、涙を流し、汚ない感情も時には抱く生身の人間として描かれていて
そのリアルっぽさがとても面白く読めました。続きが楽しみです
(この巻には、若紫を妻にするあたりまでが描かれてます)。
これなら、須磨返し(須磨のあたりで読むのをやめちゃう現象。よくあることらしい)を
くらって挫折することなく、最後まで読めそうです。
宇治十帖までやってもらいたいなぁ(身分の低い浮舟という女性をふたりの貴公子が
奪い合うなんて、林真理子が書いたら絶対面白いと思う)。