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ポスト・エスニックアメリカ (明石ライブラリー)

価格: ¥3,150
カテゴリ: 単行本
ブランド: 明石書店
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21世紀へのユートピア的展望 ★★★★★
現代のアイデンティティ・ポリティックスをラディカルに読み替え、自由にアイデンティティを選択できる「ポスト・エスニック」社会を大胆に活写する1作。

ホリンガーは、可視的なスティグマへとアイデンティティを帰着させられるマイノリティたちの存在可能性を、ブルデューの「ハビトゥス」にも似た交渉の力学の観点から、巧みに改変する。その矛先は、マイノリティの外部のみならず、マイノリティをマイノリティへと縛りつけようとする内的な呪縛へも向けられ、時に集団の闘争史へと単純に還元されがちな文化闘争を、個人の行為主体性へと向かわせる。そこでは、もはや、国勢調査が作り出す統計学的カテゴリーは、完全には機能せず、その背後に脱国家的な力学が作動する。多分にユートピア的な視点もあるが、ともすれば尻切れに終わりがちなこの手の本にあって、例外的に最後まで力のある本である。

マルチカルチュラリズム論争から生まれた一つの結論 ★★★★☆
1990年代からアメリカ合衆国で広く行われたマルチカルチュラリズム論争を踏まえて、マルチカルチュラリズムの問題点(社会の分断化=「バルカン化」)を乗り越えつつ、マルチカルチュラリズムのもつ積極的な点(多様性への視点)を取り入れ、多様な文化をもつ人々がいかに公共的社会空間を形成していくのかという問題に、一つの重要な視点を提供している。日本でも、マルチカルチュラリズム問題が議論されることが多くなっているが、アメリカでの経験を踏まえた本書は大いに参考になるであろう。