日本の教会建築史に残る名著
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田淵氏は、専門分野と信仰と神学の三位一体の天与を受けた、日本では稀な建築家であり、日本に於ける教会建築を語らせるならば、この人を置いて右に出る者はいないと言える。
多摩美術大学で、デザイン学科教授として教鞭を執る傍ら、(株)大岡山建築設計研究所の代表取締役として、あまりに多忙な日々を送っておられる。
頁をめくれば、オールカラーで、教会建築に於ける美術史が紐解かれながら、気が付けば、実践的な教会建築の実際へと、導かれていく。まさしく、氏の2分野にまたがるプロフェッショナルが遺憾なく発揮されている。日本の全ての教会は、当著書を、常備されたし。
また、日本の建築全般の未来を深慮する上でも、大いなるヒントと可能性を啓発し得る書物と言えるだろう。