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現代語訳 雨月物語・春雨物語 (河出文庫)

価格: ¥12,270
カテゴリ: 文庫
ブランド: 河出書房新社
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難しくなく古典を感じることができる。 ★★★★★
五十才の手習いで、大学の文学セミナーで、上田秋成を取り上げるため、事前に知るために何か良いものはないかと探した結果これをみつけました。
原文は、絶対難しくて無理なのがわかっていたので、原文の感じをのこしていて、かつ、分かりやすいものをもとめていました。
さすが、円地文子です。古典の雰囲気を残し、流れるような文体、崇徳院と西行とのやりとりが、映画の場面のように感じられ、読むほどにひきこまれていきす。
古典初級者から中級者におすすめです。
難しいと思いがちな江戸時代の大衆文学を感じる読み物におすすめです。

怪談と太宰治 ★★★★★
 「菊花の約」を読んだ。再び会おうと約束し合った義兄弟。が、生き身のままでは、約束の日に間に合わない。そこで彼は、自ら命を絶ち、魂となって再会を果たす。太宰「走れメロス」を思い起こさせる作品だ。
 縦のつながり(上下関係)と、横のつながり(友情)との融和が、「走れメロス」のテーマの一つであったのだな、と気づかされた。メロスはセリヌンティウスとの間にある友情を、目に見える形で、王に証明して見せた。王は、二人の友情に感じ、自分も仲間に入れてくれまいか、と二人に頼む。王は、セリヌンティウス(領民)との間にある上下関係の垣根を壊し、メロス、セリヌンティウス、王の三人は友情を中にして結びつけられる。太宰は、怪談を好んだそうである。「菊花の約」を、「走れメロス」の材源の一つとした可能性も、あるいはあるかもしれない。
 話が飛ぶが、アポリネールの短篇「アムステルダムの水夫」は、恐ろしい作品である。怪談的な恐ろしさと、光ひと筋さえ入りこまない、まったく隙のない文章とは、この世のものとも思えない恐ろしさを秘めている。ところで物語の、<もの>とは魂、と言う意味だそうである。物の怪、物忌み、憑き物、物語、……。魂が語る言葉、それが物語となって生み落とされる。究極の物語とは、怪談である、と言うのは、ここから来ているのではないか。
 寺山修司は言った。人生そのものが謎だらけなのに、小説家は、なぜ、推理小説をものするのか。私は言う。単純なことさ。人生の謎は必ずしも解けるとは限らない。推理小説の謎は、最後には解ける。怪談を好む人の心理も、これに似ているのではないか。世の中は怪談よりも怪談的である。世の中の恐怖は容易に乗り越えられない。怪談の恐怖は、その場限りである。
 変なことばかり書いてしまいました。失礼しました。