世知辛い世の中だけど、「おみごと」な人はちゃんといた!
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「サンデー毎日」連載のコラムがまとまったものを、年末にまとめて読むのを愉しみにしています。あー、そういえばこんなことあったな〜!って。
興味深かったのは、「『1Q84』は本当に面白かったのか」。私は筋金入りの春樹ファンでかなり面白く読んだのだけれど、春樹さんと同世代の方の本音を知りたかったのです。「リアルな手ごたえのある謎を追って読んでいたのに、はぐらかされた気分」、「これは、もしかして風変わりなラブストーリーだったのか……」、なるほどー。でも中野さんの脳内キャスティングで青豆さん=黒木メイサに一票! 老婦人=金美齢とのことですが、私は加藤治子さんを勝手に希望します。天吾は背泳の古賀選手? 堺雅人がいいなあ、なんて。
映画の話題も豊富。中野さんおすすめの中で「グラン・トリノ」「空気人形」「イントゥザワイルド」、観てよかった! 心にじいんと響く映画でした。さほど多くは観られないので、中野さんの評はいつも映画選びの指針にさせていただいています。政治や芸能の話題の一つひとつにも膝を打ったり、笑ったり。これからも毎年、年末に読み続けていきたい本です。
そうそう、「おみごと手帖」という題名にじゃっかん違和感がありました。この時代になぜ?と。でもあえて陽気に名づけたとのこと。振り返ってみると、WBC制覇や「ハドソン川の奇跡」の機長、スーザン・ボイルさんなど「おみごと」な人はちゃんといた!…納得です。