まだR&Bが立派にR&Bであった黄金期、そう90年代の作品。
あの頃私のハートを砕いたSLOW FLOWの加速ビート。
そしてR&Bには当時珍しかったハウストラックのカバー曲"THE BOSS"。
このアルバムは映画だと思ってもらっていい。
そのくらいドラマチックであり、泣ける。

中古市場で安値で取り扱われているこの作品。しかし値段と内容が釣り合わないことは往々にしてよくあることで、この作品も傑作ですよ！ぜひ購入をお薦めします。
The BraxtonsはBraxton５姉妹で結成されたR&Bグループです。1990年にAristaと契約した彼女たちでしたが、グループとしてはすぐに契約をカットされ、ソロとなったToni BraxtonだけがAristaに残りました。紆余曲折を経て、1996年にこの作品でAtlanticから再デビューを果たしたのです(Tamar、Trina、Towandaのトリオ体制：Traciは脱退)。
シングル化されたJermaine Dupriによる"So Many Ways"、Diana Rossのカヴァー"The Boss"(制作はMasters At Work)のような話題曲もありますが、傑作なのはTricky Stewart & Saen Hallによる"Slow Flow"、Allstarによる"Only Love"、H.O.P.Productionsによる"In A Special Way"。
彼女たちは抜群に歌が巧いわけではないのですが、そのせいか親しみやすさを感じます。彼女たちにとってこれが唯一のアルバムですが、R&Bファンの記憶に残る作品となりました。

そうそうその偉大な力を持っているプロデューサーというのは、ＬＡリード／ロッドテンパートン／ダリルシモンズ／ジャーメインデュプリなのです。ヒットを出せる偉大人たちですね。

この女性たちはあの有名なトニーブラクストンと血がつながっているということで歌の実力はすごいです。

でもね、歌だけだったら鬼のように他にも存在してますからね。たとえばイターナル＝解散。そういうわけで、女性３人組のソウルグループはプロデューサーがかんじんというのが基本。

プロ中のプロがプロデュースしたこのアーバンソウル。コーラスワークもさえています。アレンジがかなり聞き答えありますね。

なめらかで、しゃれたブラックコンテンポラリーをあなたも。わりとしっとり系なので夜聞くといいと思いますね。

まさにプロ仕事のプロデュースでもっていった力技のアルバム。楽しめます。１０点中８点です。