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大真面目に休む国ドイツ (平凡社新書)

価格: ¥714
カテゴリ: 新書
ブランド: 平凡社
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   ドイツと聞いて何をイメージするか。多くの偉大な哲学者、科学者を輩出した勤勉な国、脱原発を打ち出して環境保護にまじめに取り組む国民性、第1次世界大戦やナチスの勃興に見られる、追い込まれると変な方向に猛進してしまう国民気質。そして、歴史で最初に語られるのは「ゲルマン民族大移動」である。

   風変わりな表題である。休んだドイツ人は何をしているのかといえば、長期の休暇(ウアラウプ)は旅行である。ヨーロッパを陸路旅すると、あちこちでドイツ人を満載した観光バスに遭遇する。アフリカ、南米でも最初に目につくのはドイツ人旅行客。彼らは大まじめで群れ、今でも「民族大移動」中なのである。彼らが目指すカッコいい旅先はいまや南極、近未来は宇宙だ。

   なぜドイツ人はそんなに休めるのか? その鍵は「労働時間法」である。部下が休まなければ、上司が処罰の対象になる。部下は当たり前に休み、上司も休む。自分たち(の代表)が決めた法律を遵守しないことに何の価値もない。サービス残業という倫理観は、彼らにとっては非倫理的なのである。

   しかし、現在のドイツは、トルコ人や壁の崩壊後に流入してきた旧東欧人に代表される安価な労働力が社会の底辺を支え、「ドイツ人」はその上に君臨している。ドイツ人が大まじめに休んで世界中で見かけられる背景には、必ずしも一筋縄ではいかないお国の構造・事情があるのだ。北欧や豊かな西側ヨーロッパも同様である。

   本書は読みやすくおもしろく書かれてあるが、まじめな社会構造分析の観点からはやや物足りなさを感じる。本書の目的が単にドイツ人の表層を伝えるのであればそれでもいいのだが。(澤田哲生)

通常のガイド本では物足りなくなった方に ★★★★★
旅行ガイドを読み終えたドイツ好きが向うのは、取りあえず紀行本
やら現地在住者の書くエッセイでしょうか。
現地の風俗が紹介され知識は深まるものの、実況中継の粋を出ず情報の
集積は進みますが、理解にたどり着くのは中々困難です。

とにかく体験第一と旅行に行きますが、所詮は1週間程度、何度訪ねても
観光の粋を出られません。

そんな私を「ドイツを理解する」道に、いっきにいざなってくれたのがこの本です。
紀行文やエッセイにかかれなかった数多くのことが、
この本にはあります。そのうえ研究書のような硬さもなく、とても興味深く読めます。
一例としてFKKの生い立ちや、その後の経緯も知ることができました。
旅行書コーナーにあるドイツ本よりも、さらにドイツを知りたい方に大いにお薦めいたします。
ドイツ初心者の私には興味深く読めたが、もう少し焦点を絞ってもよかったのでは… ★★★☆☆
ドイツといえば「勤勉」「お堅い」というイメージだが、休むのも大真面目か…。なんだかわからんが興味をそそるタイトルだ。特別ドイツに興味があるわけではなかったが、思わず購入。

ドイツの人々が2ケ月という休暇をどう過ごすかということから始まって、何故このような長期の休暇が実現した(された)のか、そして、そこからこの制度の矛盾や問題点が論じられていくのだが、そのうち、段々話が大きくなってドイツの抱える様々な社会的問題が論じられていく。もっとも、どの問題もドイツの国民性に端を発していると考えれば同列に論じることもおかしくはないのかもしれないが、どうも焦点が絞りきれず、どの話題も中途半端に終わってしまっている。

具体的には、○○のような経過(理由)で××となった、の○○が省略されすぎていること、そして、起こっている事柄に対する見方が一面的になるきらいがある、ということになるのだが、著者が学者でも評論家でもないこと、新書というページ数に制約のある媒体であることを考慮しても、ちょっと省略しすぎではなかろうか。もっと焦点を絞ることはできなかったのだろうか。知りたいことをなかなか知ることができずに、「どうしてそうなったんだ」と言いたくなってなんだか背中がムズムズしてしまった。

ただ、ドイツのことをほとんど知らなかった私にとっては、新しい知識ばかりであり、興味深く読むことができた一冊だ。ということで、この本はドイツ初心者向けなのかもしれない。

ただ、前述のとおり見方が一面的なところがあるので、全てこのとおりだと思うのはどうかと思う。

それにしてもドイツ人というのは何事も徹底しているな…。
日本のエライ人達に読んでもらおう ★★★★☆
大変うまいタイトルだと思う。よく分かる。ドイツ人は大真面目に遊びそうだ。うんうん。
それに昔ドイツ人からあれこれ聞いた情報によると、(移民問題等の昨今の複雑な問題はとりあえず触れずに語ることとして)ドイツ人が休暇的に日本人とはくらべものにならないくらいリッチな人生を送っていることも事実だ。日本の人はラテン系の国がバカンスに熱心、という固定観念を抱きがちなようだけど、多くのドイツ人が年に2ヶ月の休暇を享受していることは本当なんである。フランスやスペインは1ヶ月の夏休みが普通だから、その倍だ。
休暇の話で言えば、今でも日本人の意識はまだまだ低いと思う。第一、夏休みが欲しいという願望さえ抱いていない人が案外多い。誰がなんといおうと、休暇の少ない日本人の生活は貧しいと思う。そして、みんなが努力をすれば、社会構造は変えられるはずだし、日本でも長い夏休みが普通にとれる社会はやってくるはずだと思う。
ドイツ礼賛ってわけじゃないけど、そういう努力をしているドイツの試みはえらい。日本人とドイツ人はよく似ていると言われるが、でも休暇の対応にも現れている「真面目さ」の違いは、戦後の総括を水に流してきた日本の対応と、ナチスの負の遺産をとことん検証した(らしいじゃないですか)ドイツの違いだな、と思ったりするのって間違い?
ドイツに興味がある人向け ★★★☆☆
労働時間の短縮によって自由時間は増えたのに、睡眠時間は減っている・・・・・・退屈を訴える人が増えて、バカンスをどこで過ごすか、旅行の話題が多くなる・・・・・・想像していた「休暇の多い国」のイメージをかなり変えてくれます。だからといって日本並みに労働時間を増やしてみろとは絶対言えないけど。あちらが立てばこちらが立たず、ですかね。これはドイツに興味がある人が読まないと面白くないかもしれない。私は楽しく読んだけど。