デイヴィッド・バーンとファットボーイ・スリム の曲を女性が歌う
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デイヴィッド・バーン, ファットボーイ・スリム という組み合わせに「?」でした。
聴いてみたらダンス系の音楽に、各曲ごとにうまく女性ボーカルを配置。
シンディ・ローパーの魅力を再発見したりと驚くことが多かったアルバムです。
豪華な冊子(ハードカバー)にCDとDVDがセットになっているものですが、なんでイメルダ?
マルコス元大統領失脚の「革命」をリアルタイムで見てきた世代としてはどうしてなんだろう、
同時期にフィリピンの国会議員になったイメルダ、シンクロしているのでなんだか複雑な感じなのも確かです。
アメリカ人が見たフィリピンの元大統領夫人の生涯(前述の通り、まだまだ現役ですが)を描くとこうなるのかと思いました。
各曲ともに出来上がりは良いですね。その点だけは強調しておきます。
豪華版のこのセットを買う層はデイヴィッド・バーンの長年のファンが多いかと思います。
通常盤よりこちらを買うことをお奨めします。
イメルダ夫人の生涯
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フィリピンのマルコス大統領イメルダ夫人の生涯をダンス・ミュージックで表現した二枚組CD+DVDのハードカヴァー・ブックレット・ヴァージョンです。
ダンス、ディスコとは言っても、バーンのことですから、エレクトロニカのほうよりも、オペラ、AOR、アフリカン・ビートのほうを感じさせるアレンジです。ゲスト・ヴォーカルが多彩なので、飽きません。
DVDは、マルコス、イメルダの伝記的フィルムを素材にした6曲のヴィデオ・クリップです。字幕が必要なインタヴュー、ドキュメンタリーなどはありません。
ハードカヴァー・ブックレットのほうでは、歌詞を引用しながら、各曲ごとに詳しい解説をしてくれています。
バーンがイメルダが大量虐殺に与したことを不問にしてイメルダの記念碑を建ててしまっているのか、それとも彼女の愚かさをやんわりと皮肉っているのかについては判断が分かれることでしょう。
英語の聴き取りはできなくても、読み取りができるなら、断然この輸入盤デラックス・エディションがいいです。
2010
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元フィリピン大統領夫人のイメルダ・マルコスの栄枯盛衰を劇場用ミュージカル作品にしようというデイヴィッド・バーンのアイデアから生まれたファットボーイ・スリムとのコラボレーション。ラテン的な躍動感を活かしたコンテンポラリーなダンス・ミュージックというスタイルを取りつつ、波瀾万丈のドラマを綴っている。バーン本人のほか、シンディ・ローパー、トーリ・エイモス、マーサ・ウェインライト、ケイト・ピアソンなど、曲ごとに多彩な顔ぶれをボーカルでフィーチャーしているが、根底にある音楽性には、トーキング・ヘッズ初期からの一貫した視点が感じられる。