UKギターロックがたどり着いた1つの大きな成果ともいえる、重要な作品である。ギターサウンドを中心としたバンドアンサンブルはこれ以上ないほど洗練され、崇高さまで感じさせる。そしてなんとといっても、トム・ヨーク自身の内面に巣くう不安や絶望感を赤裸々につづった歌詞と、ネガティブな感情を昇華するメロディがすばらしい。
安易な享楽主義に逃げることなく、あくまでも現実を見据えながら、ロックミュージックの可能性を探り続けるレディオヘッド。音楽史上最も誠実なバンドとして記憶されることだろう。(森 朋之)
『ノルウェイの森』の予習のつもりで聴いてみました。
★★★★★
レディオヘッドのファンの方から見れば的外れなレビューになるかもしれません。
『ノルウェイの森』の映画版の音楽担当がレディオヘッドのジョニー・グリーンウッドと聞いたので、予習のつもりで聴いてみました。
『ノルウェイの森』を読みながら聴きましたが、メランコリーな雰囲気が『ノルウェイの森』とよく似合っていてとても良い感じです。何か曲を聴いているだけでも英米文学を読んだ気分になります。
ジャケットデザインのセンスがとてもクール。
映画版『ノルウェイの森』にとても期待しています。
1997
★★★★★
映画『ロミジュリ』のエンディング4に代表されるように、どんづまりの鬱屈した世界を泣けるほど美しい世界へと浄化させてしまうトムの魔法はやっぱりとんでもなくスゴイとウルウルせずにはいられない待望の3rd。これまでで最もレイドバックしてるメロウなサウンドが浮遊感あふれるトムのボーカルの孤高度を倍増しているのが印象的。また、転んでもただじゃ起きないシブトさも感じさせてくれたところにグッときた。
ライフタイムベスト!
★★★★★
初めてこの作品を聴いたとき、はっきり言って理解できなかった。中学3年頃で、これまでキャッチーなポップ・ソングしか聴いてこなかった私はこの真に芸術的な傑作の良さがわからなかったのだ。それっきりほっぽっといたのだが、それからBeatlesやらColdplayやらにはまって、一年後くらいに聴き直してみたらまあ不思議。
ぶっ飛びました。
てなわけでなかなか難解な作品だが今や私のライフタイムベスト!
後のRadioheadを聴けばわかるが、Kid A等のエレクトロニカ路線とすでにロックを極めたかのような2枚目The Bendsとの狭間に生まれ、さらに胸を抉るような感情を閉じ込めた傑作中の傑作!
ロックの歴史を眺めてみても10枚の中に入るくらいのアルバムなんじゃないだろうか。
音は精緻でアヴァンギャルドで凄すぎるし、メロディーはUK独特の暗いながらも精密で柔軟性がある素晴らしいものだし、トムのボーカルは初期の頃のパワーと後期の美しさが同居していて一番素晴らしい頃だと思う。曲も2曲目Paranoid Androidは、NirvanaのSmells Like〜に並ぶほどの名曲だし、4〜5曲目の名曲群なんて反則!聴くたびに泣きそうになる。
そして今まで1000回以上聴いた気がするが、全く飽きがこない。それどころか新しい発見さえする。
私の中でこれ以上の作品がこれから現れるのだろうか。それを恐れながらも期待する。
聴き慣れれば味は出てくる
★★★☆☆
正直言えば、初めて『OKコンピューター』 を聴いた時は素直に聴き入れなかった。『ヘイル・トゥ・ザ・シーフ』のショックが大きく、その後に聴いたから。しかし、このアルバムが多大な影響を及ぼしている事は間違いない。それだけは言える。97年発売当時にしてみれば、このアルバム1曲1曲は、リスナーの概念を押し潰したと思う。今では曲にアレンジを加えるのはごくごく当たり前になっているけれど、レディオヘッドのアレンジの仕方は、後世のオルタナティブロックの道筋をしっかり形作るものになるんだろうと確信を持っている。音響意識が非常に高いこのアルバムを、初めてレディオヘッドを知ったアルバム『ヘイル〜』と比べると、透明感のあるロックだ。鋭利な刃物を研いだような感覚を覚える『ヘイル〜』とは対照的に、柔らかく透明感があり、何度も聴いているうちに、じわじわと味が染み出てくる。特に『EXIT MUSIC』はそう言えるんだろう。
窒息するために
★★★★★
音の洪水。その中で窒息してしまいたくなる程美しい音楽。
腕を組んで考え込んだり歌詞をどうこう言うよりも、ただ音に溺れる為のアルバム。
トータルで聴くべきアルバムですが、個人的にM5が大好き。歌のメロディとルート音に忠実なベース・アコギは限りなくシンプルですが、(曲は4拍子なのに)5拍子のアルペジオ&エレピのユニゾン+もう一つのアルペジオが織り成す和音の波に呑まれると、帰って来れなくなります。