E.T.: The Extra-Terrestrial
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スティーヴン・スピルバーグ監督はしばしば、映画史上に残る大ヒット作となった『E.T.』のことを、同じテーマを扱った『未知との遭遇』の続編のような作品と呼ぶ。音楽を担当した作曲家ジョン・ウイリアムズにとっても続編にあたる本作で、彼は自らの音楽的才能の幅の広さを存分に発揮した。『未知との遭遇』の音楽がここではより感動的な音に発展しているのがわかるはずだ。
音作りは今回も、代表作『スター・ウォーズ』のときのように、20世紀初頭のロシアのロマン主義を意識している。それがはっきりわかるのが、映像に溶け込むように美しく流れる<1>、<4>、<5>の3曲だ。ウイリアムズの音楽は人の気持ちをゆさぶりすぎる、というおかしな批判をする人がよくいるが、それこそまさに映画音楽作曲家の目指すところであり、このE.T.の音楽は間違いなく彼の最高傑作の1つだ。
前半は『偉大なるアンバーソン家の人々』を手がけたときのバーナード・ハーマンのような繊細で牧歌的なタッチを思い起こさせ、その後急激にテンションが上がり、ときおり入る金管楽器の強いモチーフがこの上ない不安感をあおる。この15分に及ぶ曲<20>は、ウイリアムズの映画音楽における類まれなる才能をもっともよく示す作品として20年経った今でも広く知られている。(Jerry McCulley, Amazon.com)