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ワイルド・ソウル〈上〉 (幻冬舎文庫)

価格: ¥720
カテゴリ: 文庫
ブランド: 幻冬舎
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最高です ★★★★★
国の棄民政策により、騙されてアマゾンの奥深くに移民させられた日本人(日系人)達の
復讐の物語。実話を元に構成しているため、リアリティが凄い。
また、かつて、国策として口減らしのために、楽園などと嘘をついて移民を送り込んでいた史実を知ることが
できた点でも有用だった。やっぱり国って国民を守るためにあるんじゃないのね。
実際、ドミニカ移民訴訟は政府が謝罪したし、これは日本人が知っておくべき事実だと思った。

さて、復讐というとチープですが、その復讐の方法が秀逸。
キャスターの貴子が、復讐に利用された事実と、局の中で評価されていく狭間で苦悩する展開も
すばらしかった。

伊達に数々の賞を重複して受賞していないなっていう期待通りの読後感。万人にお勧めです。
興奮冷めやらぬ! ★★★★★
大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞を
受賞した傑作小説。3冠は史上初とのこと。
先ほど読み終わったばかりなので興奮冷めやらぬまま書いてますが、
これほど文句のつけようがない小説は初めてかもしれません。

アマゾン移民者のあまりにも過酷な運命に涙し、
それでも生きようとする強い意志、人間のエネルギーに胸が熱くなり、
日本政府に対する緻密な復讐劇に驚き、興奮し、
読後には自分の内からエネルギーが湧いてくるような、そんな作品でした。

「君たちに明日はない」を読んだ時にも感じたことですが、
垣根涼介さんの小説は少し目を背けたくなるような内容にもかかわらず、
後ろ向きにはならず、最後には読者の背中を押してくれるような、
生きようとする心に力を与えてくれますね。
垣根涼介さんの熱い想いがそうさせてくれるのでしょうか。

いずれにせよ誰にでも自信を持ってお勧めできる名作だと思います。
久しぶりのヒット!! ★★★★★
NHKで放映されていたドラマ「君たちに明日はない」が
面白かったので、「君たちに明日はない」から読み始め
逆流して本作に辿り着きました。

内容については、いまさら書くまでもないので割愛します。
久々に読んで興奮する作家に出会えたことに嬉しく思います。
戦後のブラジル移民の悲劇と、復讐劇 ★★★★★
物語は、物資も食料もない貧しい日本から、ブラジルのアマゾンの奥深くに
移民として送られてきた日本人たちの生活から始まる。
外務省が彼らに約束したことは嘘で埋め尽くされていた。
豊かな土地などなく、住む家もなく、彼らは一から自分たちの力で築き上げ、それも
アマゾンの圧倒的な自然のもとに一瞬にして破壊されていく…
人々はマラリアや黄熱病で死に絶え、またはあてもなく逃亡する。
力の限りを尽くし、助けを求めに領事館までたどり着いた日本人も、門前で追い返される。

戦後の、外務省の移民政策のあまりのひどさに、これは日本政府がやったことなのか…?
と、何度も自分に問い返した。
また、自分の無知に恥ずかしくなった。

物語は、そんな移民を親に持った2世の、日本外務省に対する復讐劇に移っていく。
ここからは、あっというまに、ものすごい勢いで物事が進んでいく。
復讐の計画、実行、逃亡、そのすべてが、スマートで、鮮やかだ。
一種、芸術的にさえ見える。

私の無知を補い、なおかつ、読む喜びを与えてくれる、傑作だった。
ハイレベル (熱い) ★★★★★
面白さは他の人が言っているとおり。
それプラス、この本はエンタメ小説として、レベルが高い。

何がすごいって、これだけのストーリーにほころびが無い。
ありがちな話の破綻、消化不良、尻切れトンボが一切ない。
広げまくった風呂敷をまとめ切る見事な構成力。

渾身の一作、逆にいうと、このレベルの作品を
この著者は今後そうそう量産できまいと思わせる。
書けてあと2,3作?
その意味でも、この本は読んで損なし、と言える。

もちろん100点満点の本は無いわけで、あえて難をいえば
導入部、最初の1〜2章かな。
なんかシドニィ・シェルダンの小説を読んでる感じ。

その既視感に悩まされたけど、後半に入ってからは
雑念も消え、じつに気持ちよく引き込まれた。
クライマックス(というか下巻の後半部分)はさらに良かった。

とくに山本さんの人生の幕引き部分がたまらん。
泣けた。
単なる好みかもしらんけど。

長さも、確かに買うとき躊躇うほど厚いけど、
しかし読み終わったあとに、これをもっと凝縮して1巻サイズに
収めるべきだったかと考えると、それはこの本の魅力を殺すと思う。
この本の熱さを殺すと思う。

あとエンディングも意外と深い。
貴子はケイに対し、必ずしもイエスと言ってない。
それがわかる直前で終わっている。
そしてラストの意味深な数行がきて、終わる。
結局最後はどうなったの?

このクロージング、私は秀逸だと思った。好みかもしらんけど。