内容の濃さに、ビックリ!
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これだけの執筆陣を揃えて、本文336ページ、1600円は安い。
それぞれの原稿が力作なので、読み飛ばすことができない。
ひさびさに、じっくりと取り組み、読ませてもらった。
年度版で出す予定とのこと、おおいに期待したい。
ものすごい情報量!
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よくもこんな素晴らしい本を出してくれたなあと思う。
その名は『宗教と現代がわかる本 2007』。
学者・ジャーナリスト・作家等、ヴァラエティに富んだ執筆人が、主に2006年に起こった政治・教育・生命倫理等の宗教に関わる問題について論じている。
そして巻末には、2006年の宗教に関するニュースや、著名人の宗教についての発言、宗教が絡んだBOOKガイドや映画の解説等、それだけ読んでも面白いデータ集がついている。
一通り読めば、宗教に関する問題の本質が必ずわかるようになるはずだ。この題名に偽りは無い。
題名に「2007」とついていることから想像できるように、今後年1回刊行していく予定であるらしい。
ぜひ、色んな人に読んで欲しいと思う。
パワフルな宗教BOOK
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気合の入った宗教本である。執筆人(対談・インタビューを含め)が豪華なので衝動買いしてしまったのだが、いやそれ以上にすごかったのがこの豊富な情報量!!ここ一年に発生しためぼしい(ずいぶんマニアックなのもあるが)宗教情報はとりあえず一通りカヴァーできているのではないか。本書を企画した編者、ヴァライティ豊かな執筆人、そして事細かな情報を収集しアップするという地味だが価値ある仕事をした研究者、みなそれぞれにすばらしい。
小林よしのり氏の宗教論(インタビュー)や養老孟司×中沢新一の対談などまず目に付く企画で、実際にかなりおもしろい内容だったが、その他の宗教学者や評論家たちの文章もそれぞれに興味津々である。どれも現代社会における宗教の状況に鋭く切り込む議論であるのはもちろんのこと、靖国問題や女性(系)天皇論や宗教教育や生命倫理など、特に論争的なテーマをとりあげその論点を簡潔にまとめたりもしている。上田紀行氏と宮崎哲弥氏の、共に現代における仏教の改革をもくろみつつ主張が激しく対立する両者の仏教論が一度に読めるのも楽しい。また、今後も現代宗教論の最大の論点となるであろう、オウムに関する話題もきっちりと押さえられている。
本書はシリーズ化され毎年出版されるらしいが、喜ばしいことである。この創刊号のハイ・テンションが維持し続けられることを願いたい。
学究と現場の視点が解き明かす宗教の現在
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われわれが手にして読める、個別の宗教団体についての本や、単独の著者による「宗教論」は、これまでにもたくさん出ている。でも、本書ほど、書籍・新聞・雑誌に書かれた<宗教関連記事>をデータとしてきちんとふまえて編集・執筆された本は、これまでに無かったのではないか。宗教が文化のひとつの核をなしているはずなのに、これはおかしなことだ。本書によって初めて、宗教という言葉は、現代社会を読み解く視点や鍵としての意義を持つのだと思う。また、こうした本が出ることによって読者はようやく、宗教がじつは、<実態をともなった世界観のひとつのかたち>なのだと、クールに理解できるようになるに違いない。本書の帯には「宗教を知らないと問題の本質は見えてこない」とある。これは「宗教を知らないと自分たちの足元の課題は解けない・見えてこない」ということでもある。慰霊と追悼、皇位継承、生命倫理などのホットな話題の核心を捉えるにも、やはり宗教という視点が有効になってくる。本書の多彩な論者による明晰な記述は、現代を足元から見つめる材料を十分に示していると考えられる。お値打ち十分の一冊だ。
こんな本が欲しかった
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本屋でみたときには真っ赤な本でなんて目立ちたがり屋の本なんだ、と思いましたが執筆陣の多さについ購入してしまいました。
養老・中沢対談では死の概念の深さに感心し、寺族(住職の奥さん)の実態や日本のイスラムなど意外なことが起こっていることがわかって新鮮でした。
でも一番ためになったのは、巻末の資料かな?